未来のサクラフィフティーンが花園で激突

[ 2021年10月2日 19:15 ]

第1回定期交流戦「六智戦」を終えて笑顔で記念撮影
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 私たちは15人制ラグビーがしたい――

 そんな思いが詰まった女子15人制高校ラグビーの記念すべき第1回交流戦『六智戦』が10月2日、東大阪市花園ラグビー場で開催された。

 「東の横綱・関東学院六浦(神奈川)」VS「西の横綱・石見智翠館(島根)」。未来の女子日本代表、サクラフィフティーンの〝原石〟たちが、聖地を駆け巡った。

 7人制は五輪種目に採用されたことで注目が高まり、高校の競技人口や大会は急増した。しかし15人制ラグビーは部員の確保やポジション編成が難しく、若い世代の強化が図れていないのが現状だ。現在、高校単独チームとして15人制の試合ができるのは、京都成章(京都)を加えた数校で課題は多い。

 そんな現状を知ったラグビー界の先輩たちが、今後の普及活動の一環として日本初の女子高生による15人制定期戦を企画した。

 ちょうど東大阪市が、ラグビーワールドカップ2019の試合が初めて開催された9月22日を『花園ラグビーの日』と制定し、日本記念日協会に記念日登録。4試合が行われた10月13日までが花園ラグビー週間とされる中、制定記念イベントとして第1回が開催されることになった。

 試合は熱戦の末、石見智翠館が17―12で勝利。スクラムハーフの農山紗叶(さき)主将(3年)は1メートル45の小さな体でチームをけん引し「第1回の勝利は大きい」と喜んだ。

 体のサイズの特徴などを生かせるのが15人制ラグビーの特徴。農山主将は「15人制には体が小さくても大きくても適材適所がある。花園第1ラグビー場でプレーできて本当に感謝します。15人制のワールドカップ出場を目指しもっともっとスキルを上げていきたい」と、大きな目標も口にした。

 関東学院六浦のフッカー・松澤ゆりか主将(3年)は「貴重な経験を楽しもうと思った」と、敗戦にも爽やかな笑顔を見せた。

 現在、高校女子の15人制大会は、毎年夏に長野・菅平高原で開催される『KOBELCO CUP 全国高等学校女子合同チーム大会』と、全国高校ラグビー大会時に行う『U18(18歳以下)花園女子15人制』の2大会しかない。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、20年、21年度大会が中止となるなど実戦の場を失っていた。

 来年2022年10月にニュージーランドで開幕予定の女子ワールドカップ。8月、9月に行われた女子15人制合同合宿(15人制強化・TID)には、石見智翠館8人、関東学院六浦1人のOGが参加するなど活躍している。

 この定期戦をきっかけに花園ラグビー場が『男女高校ラグビーの聖地』となれば、夢はもっと膨らむ。

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