安本 肥ゆる秋…1メートル75、55キロ細身が14年目で初優勝へ2差4位、6季賞金0経験の苦労人

[ 2021年10月2日 05:30 ]

男子ゴルフツアー バンテリン東海クラシック第2日 ( 2021年10月1日    愛知県 三好CC西C=7300ヤード、パー71 )

9番、ピンチからパーセーブの安本はガッツポーズ(撮影・井垣 忠夫)
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 首位に3打差の8位から出たプロ14年目の安本大祐(34=テラモト)がツアー自己ベストに並ぶ66の好スコアをマークし、首位に2打差の通算9アンダー、4位に浮上。夢のツアー初優勝を狙える好位置で決勝ラウンド進出を決めた。稲森佑貴(27=国際スポーツ振興協会)が通算11アンダーで首位。先週のパナソニック・オープンでツアー史上5人目のアマチュア優勝を果たした中島啓太(21=日体大3年)は腰痛のため第2ラウンドを棄権した。

 日本ゴルフツアー機構の公式サイトには1メートル75、55キロと記載されているが、これは少々みえを張った数字。実際は50キロ。日によって40キロ台に落ち込むこともあるという。日本男子ツアー最軽量の安本が台風16号の影響による強風に耐えながら執念のゴルフを見せた。

 「何とかしのぐことができました。後半はひっちゃかめっちゃかでしたけど、このスコアには満足してます」

 前半のインで4バーディーを奪い、一気に首位争いへ。その快調なゴルフが一転、にわかに風が強くなった後半のアウトはピンチの連続だった。9ホール中7ホールでパーオンに失敗し、4番以降は6ホール連続で1パットパー。最終9番では第2打がグリーン右手前のバンカーで目玉になる不運に見舞われたが、5メートルを残したパーパットを気力でねじ込み、首位争いに踏みとどまった。

 「ゴルフを続けられなくなったらという恐怖は今でもあります」

 10年にツアーデビューを果たすも獲得賞金0が6季。長らく遠征費の工面に苦慮する日々が続いたが、18年に所属先が見つかり生活面が安定した。ツアー予選会自己最高の10位で迎えた20年はコロナ禍により稼ぐ場所を奪われる悲劇もあったが、腐らず前向きに。今季は先週のパナソニック・オープンで自己最高の11位に入るなど約565万円を稼ぎ、賞金ランクも76位と初の賞金シード(65位以内)が狙える位置にいる。

 細身ながら19年にはドライビングディスタンス部門4位に相当する306・69ヤードを記録した飛ばし屋。外見からは想像できない飛距離を武器に一気に夢の初Vを目指す。

 ◇安本 大祐(やすもと・だいすけ)1987年(昭62)1月20日生まれ、北海道出身の34歳。ゴルフは10歳から。北海道尚志学園高時代の04年に全国高校選手権春季大会2位。東北福祉大1年時の05年に関東学生優勝。06、07年ナショナルチーム入り。07、08年北海道アマチュア選手権連覇。08年12月プロ転向。師匠は三上幸一郎。得意クラブは1W。家族は友香夫人(38)と長男・宗祐ちゃん(3)。

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