元横綱・白鵬 双葉山の69連勝目指すも稀勢の里に敗れた一番「あの負けがあるからここまで来られた」

[ 2021年10月2日 05:30 ]

引退の記者会見をする元横綱白鵬。史上最多45度の優勝を誇る大横綱が、約20年間の力士生活を振り返った
Photo By 共同

 大相撲で史上最多45度の優勝を誇り、9月30日付で引退した間垣親方の元横綱・白鵬(36)が1日、東京・両国国技館で会見し、名古屋場所10日目に決断したことを明かした。師匠、家族らに感謝の言葉を並べ、長らく第一人者として君臨した約20年間の力士生活に悔いなしを強調した。

 【白鵬に聞く】

 ――今の心境は。
 「(21年の力士生活は)本当に早いような感じがする。相撲が大好き、幸せ者だなと思う」

 ――右膝の状態は。
 「医師から“私がやることは終わった。次、痛めた場合は人工関節になる”という報告を受けた」

 ――大きな目標を立てて闘ってきた。
 「横綱になりたいという夢はあったが、45回優勝という目標は立てていなかった。一つ一つの積み重ねがこの結果につながったと思う」

 ――記憶に残る一番は。
 「最初で最後の金星で朝青龍関に勝った一番と、双葉山関の69連勝を目指して稀勢の里関に負けた時。あの負けがあるからここまで来られた」

 ――不祥事や東日本大震災など、大変な時期に中心に立ってきた。
 「さまざまな問題もあったが、経験したことが財産になったと思う。それを後進の指導に生かしていきたい」

 ――ここ数年は横綱審議委員会から(取り口などで)厳しい意見が出た。
 「横審の先生方の言葉通りに直した時期も、守った場所もあった。でも度重なるケガで理想の相撲ができなくなったのは反省している。最多優勝記録を更新した時に目標や夢を失う寂しさ、悲しさがあった」

 ――横綱として守り続けてきたものは。
 「横綱に昇進するのも大変だったが、それを14年守り続けたことは自分を褒めたい」

続きを表示

2021年10月2日のニュース