伊藤 男子1万で初五輪!元日に骨折も復活V「優勝しか狙っていなかった」

[ 2021年5月4日 05:30 ]

東京五輪代表選考会兼陸上日本選手権1万メートル ( 2021年5月3日    静岡市・静岡スタジアム )

27分33秒38で優勝し、東京五輪代表に決まった伊藤
Photo By 共同

 男子は既に参加標準記録を突破し、ただ一人、タイムではなく3位以内が条件だった伊藤達彦(23=ホンダ)が27分33秒38で優勝し、相沢晃に続き、初代表の座を手にした。

 地元静岡で行われた大一番で伊藤が念願の五輪代表切符を勝ち取った。浜松商高時代はほぼ無名だった選手が故郷に錦を飾り「優勝しか狙っていなかった。五輪内定を決められた。非常にうれしい」と声を弾ませた。

 奇跡の復活劇だった。今年元日のニューイヤー駅伝。レース中に両大腿骨疲労骨折と右ハムストリング肉離れという最悪のアクシデントに見舞われた。五輪代表選考会まで残り4カ月。「正直、諦めた」と当時の偽らざる心境を明かす。

 診察した医師から「走れない」とも言われた。心が折れそうになったが、大学時代の恩師である東京国際大・大志田秀次監督の「東京五輪に行けるよ」という言葉を支えにしたリハビリが実を結んだ。「諦めちゃいけないんだという気持ちにさせてくれた」と恩師へ感謝の言葉を口にする。

 伊藤より先に東京五輪1万メートル出場を決めている相沢晃(23=旭化成)との再戦を心待ちにしている。大学4年時に箱根駅伝2区でデッドヒートを繰り広げた同学年に対し「(五輪では)相沢にだけは絶対負けたくない」と早くも宣戦布告した。

 ◆伊藤 達彦(いとう・たつひこ)1998年(平10)3月23日生まれ、静岡県浜松市出身の23歳。浜松商高から東京国際大に進学。大学4年時にユニバーシアード・ナポリ大会のハーフマラソンで銅メダルを獲得。20年箱根駅伝2区では東京五輪1万メートル代表の相沢晃(旭化成)とデッドヒートを繰り広げた。自己ベストは1万メートルが27分25秒73、ハーフは1時間1分52秒。

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