榎本 個人種目も五輪内定で涙 恩師の死、がん疑い乗り越え“自粛警察”にも心折れず

[ 2021年5月4日 05:30 ]

飛び込みW杯東京大会第3日 ( 2021年5月3日    東京アクアティクスセンター )

女子飛板飛び込み予選、5本目を終え松本コーチ(右)とタッチを交わす榎本(撮影・会津 智海)
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 女子シンクロ板飛び込みで代表入りが確実な榎本が個人種目でも五輪代表に内定した。

 予選を9位通過し、準決勝も6位突破。五輪の延期により、個人種目にも本腰を入れた経緯があり「この試合で全てが決まる怖さがあり、1人で凄く不安だったが、演技の大きさや見栄えでは世界に負けていない」と手応えを口にした。

 予選1本目を飛ぶ際は緊張で脚が震えた。「どうなることかと思ったが、練習が形になって出てくれた」。昨春の1度目の緊急事態宣言下では屋外練習を“自粛警察”からとがめられたこともあり、心を折らずに練習を続けた成果を強調。15年に肺の上部にピンポン球ほどの大きさの腫瘍が見つかった。一時はがんの疑いがあり手術で除去。現役を続けるか悩んだが、どん底からはい上がった。

 自身を競技に導いてくれた恩師で11年に他界した馬場内登志絵さんに思いをはせた。大会前には欠かさず墓参りしており「五輪出場を恩師に伝えたい」と涙。4日の決勝へ向けては「緊張感をパワーに変えてダイナミックな演技をしたい」と力を込めた。

 ◆榎本 遼香(えのもと・はるか)1996年(平8)9月14日生まれ、栃木県出身の24歳。女子シンクロ板飛び込みで19年世界選手権代表。栃木・作新学院、筑波大出。栃木県スポーツ協会。1メートル65、59キロ。

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