14歳・玉井 逆転五輪切符、飛び込み王子「絶対決めてやる」最終6本目崖っ縁で起死回生ダイブ

[ 2021年5月4日 05:30 ]

飛び込みW杯東京大会第3日 ( 2021年5月3日    東京アクアティクスセンター )

男子高飛び込み予選、6本目を終え馬淵コーチ(右)に迎えられ笑顔を見せる玉井(撮影・会津 智海)
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 男子高飛び込みで玉井陸斗(14=JSS宝塚)が東京五輪代表に内定した。予選を405・20点の15位で通過し、五輪出場権獲得条件の準決勝進出(18位以内)をクリア。5本目を終えて19位タイから、最終6本目で逆転のダイブを決めた。準決勝は421・30点の9位で突破し、4日の決勝に進出した。西田玲雄(20=大阪水泳学校)も予選18位で初の五輪出場。女子板飛び込みは榎本遼香(24=栃木県スポーツ協会)が予選、準決勝を通過して五輪切符を獲得した。

 崖っ縁。実際は高さ10メートルの台の縁に立っていた。最終6本目の演技は5255B(後ろ宙返り2回半ひねりえび型)。玉井が水しぶきを立てないノースプラッシュで高得点をマークした。踏み切りから入水までは約1・6秒。重圧から解放され、逆転で五輪切符をつかんだ。

 大一番で「脚の感覚がなくなるくらい緊張した」と本来の演技ができなかった。代表内定条件の準決勝進出ラインは18位で、5本目を終えて19位タイ。2~5本目は精彩を欠き「だいぶ焦りました」と平常心を失いかけたが「最後は絶対に決めてやる」と会心のダイブを決めた。

 五輪延期の影響もモロに受けた。大会が通常開催されていれば、13歳10カ月26日で本番を迎え日本男子の史上最年少出場を更新していたが、1年延期により23日届かない。19年4月のシニアデビューから2年で身長は12センチ伸び、体重は15キロ増。ご飯は茶わん1杯と決めるなど食事制限を続けても急激な成長は抑えられなかった。

 体が大きくなれば持ち味の回転力が落ちる危険性があったが、計画的な筋力トレにより、競技力はアップ。馬淵崇英コーチは「体が大きくなることは予想していた。肉体改造でパワー、スピードが出て、今まで以上に余裕や安定感が出てきた」と強調する。体重増で入水時の衝撃が増した影響から昨年12月に左肘痛を発症。患部の負担を抑えるため10メートル台からの練習を減らすことを余儀なくされたが、5メートル台や3メートル飛び板からのダイブを増やしてカバーしてきた。

 シニアデビュー当初は緊張して涙することもあったが、この日は土壇場で好演技するたくましさ。準決勝は予選から15点以上、上げて9位で突破。4日の決勝に向け「準決勝より点数を上げて満足のいく演技をしたい」と力を込めた。

 【玉井 陸斗(たまい・りくと)】
 ☆生年月日 2006年(平18)9月11日生まれ。

 ☆出身 兵庫県宝塚市。昨年4月から市立高司中に通う。

 ☆競技歴 小学1年から。3歳から通っていたスイミングスクールの隣のプールで開催されていた飛び込み教室を体験したことがきっかけ。シニアデビュー戦の19年4月日本室内選手権で優勝したが、年齢制限で世界選手権代表になれなかった。19、20年と高飛び込みで日本選手権連覇。

 ☆飛び込み一筋 ケガ防止のため自転車に乗らず体育の授業の球技は見学。最近は趣味のゲームもせずに練習に打ち込む。

 ☆好きな食べ物 焼き肉。特に牛タン。

 ☆サイズ 身長1メートル55、体重51キロ。

 【五輪最年少アラカルト】
 ☆日本人最年少出場 36年ガルミッシュパルテンキルヘン五輪のフィギュアスケート・稲田悦子の12歳0カ月で夏季に限れば68年メキシコ五輪の競泳・竹本ゆかりの13歳6カ月、男子では32年ロサンゼルス五輪の競泳・北村久寿雄の14歳10カ月。

 ☆日本人最年少メダリスト 92年バルセロナ五輪の競泳200メートル平泳ぎで金メダルを獲得した岩崎恭子の14歳0カ月。

 ☆世界最年少 1896年アテネ五輪の体操競技平行棒団体で銅メダルを獲得したディミトリオス・ロウンドラス(ギリシャ)の10歳7カ月が史上最年少出場、最年少メダリスト。

 ☆世界最年少金メダリスト 60年ローマ五輪の競泳女子400メートルリレーのドナ・エリザベス・ド・ヴァローナ(米国)の13歳129日。個人種目では36年ベルリン五輪の女子板飛び込みのマージョリー・ゲストリングの13歳268日。

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