元NFL選手が銃を乱射 医師と妻や孫ら5人が死亡 サウスカロナイナで衝撃の事件

[ 2021年4月9日 08:03 ]

2010年、49ers時代のアダムス容疑者(AP)
Photo By AP

 米サウスカロライナ州シャーロット郊外のロックヒルで7日午後4時すぎ、地元の病院で長年にわたって救急医として勤務し、地元紙で医療コラムなども執筆していた著名な医師の自宅で銃の乱射事件が発生。発砲したのはNFL6チームに5シーズンにわたって在籍した元コーナーバックのフィリップ・アダムス容疑者(32)で、同容疑者は8日になって両親の自宅で、犯行に使った銃で頭を撃って自殺した。

 AP通信によれば、8日までに死亡が確認されたのはロバート・レスリー医師(70)と妻のバーバラさん(69)、孫のアダーさん(9)とノアさん(5)、さらにレスリー家で働いていたジェームス・ルイスさん(38)の5人で、「家の中から銃声が20発ほど聞こえた。仲間が1人撃たれて反応がない。犯人は逃げた」と警察に緊急通報したと見られているロバート・シュークさん(38)も病院に搬送されたが重体となっている。

 アダムス容疑者はレスリー医師の患者の1人だが犯行の動機は不明。警察当局では現場の状況からすぐに同容疑者の行方を追い、数時間後に両親の自宅にいることをつきとめ、拡声器を使って出てくるように説得したがその後、自ら命を絶ったもよう。現場には内部の模様を映し出す捜査用のロボットも投入されたが、悲劇的な結末に終わった。

 アダムス容疑者はロックヒルの出身でサウス・カロライナ州立大から2010年のNFLドラフトの7巡目(全体224番目)に指名されて49ers入りしたが、足首の捻挫で離脱。以後、ペイトリオッツ、シーホークス、レイダース、ジェッツ、ファルコンズに在籍し、計5シーズンで78試合に出場していた。

 レイダースに在籍していた2012年シーズンには15試合に出場しているが2度脳振とうを引き越しており、父親は「昔はいい子だった。なのにフットボールがその後の健康状態に大きな影響を与えた」と語り、元代理人も「酒も飲まないし薬物歴もないが、現役時代からたびたび孤立していた」と証言。NFLでは選手の慢性外傷性脳症(CTE)による後遺症が問題となり集団訴訟に発展したが、その対象になるのは2014年までに引退した選手で、2015年シーズンを最後に現役を離れたアダムス容疑者は検査を含めてその枠に入っていなかったと伝えられている。

続きを表示

この記事のフォト

2021年4月9日のニュース