東京五輪開幕まで“再び”1年 スポクラ野口“秘密基地”で日々進化「どれだけ自分が強くなれるか」

[ 2020年7月23日 05:30 ]

実家の壁で練習に励む野口
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 東京五輪は開幕まで1年の節目を、23日に再び迎えた。新型コロナウイルスの影響で史上初の延期となった夢舞台。アスリートは懸命に前を向き、自国での躍動を誓う。スポーツクライミングで代表に決まっている野口啓代(31=TEAM au)の実家(茨城県龍ケ崎市)には今春、3種目の壁が完成。世界的に異例の施設で進化を遂げ、金メダルの夢を現実に変える。

 東京五輪での現役引退を表明している31歳に“金メダル基地”が完成した。「もうビックリで、夢のようです」。茨城県龍ケ崎市で牧場を営む野口の実家には、元々牛舎の一部を改造して造った練習施設があったが、チームを支援するため、KDDIがスピード、ボルダリング、リードと3種目の壁を新たに建設。今春に完成し、自粛期間中も継続して練習を積むことができた。

 新種目として実施される東京五輪は、3種目の複合で争う。壁が1カ所にまとまった施設はまだ少なく、野口と練習をともにする男子で五輪代表の楢崎智亜(24=TEAM au)は「世界的にも素晴らしい施設。これだけのクオリティーの壁は、なかなかない」と話した。

 KDDIのサポートは壁だけではない。スピードの練習には、最先端の「スポーツ行動認識AI」を活用。重心の位置などを解析し、「体の動きと自分の感覚をすり合わせることができる。確信を深められる」と野口。これまでスピードを苦手としていたが、練習で自己ベストを連発しているという。

 昨年の世界選手権で銀メダルだった野口は「毎日のように、自分はまだまだだったんだなと実感させられまくり。頂いた1年で、どれだけ自分が強くなれるか考えている」と進化に自信。世界王者の楢崎は「完璧な状態で金メダルを獲りたい」と闘志を高めた。最高の環境から、頂へのルートを切り開く。

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