【玉ノ井親方 視点】相手ミスから勝ちを拾った朝乃山 新大関5連勝スタートは立派

[ 2020年7月23日 20:15 ]

霧馬山(左)の攻めをこらえる朝乃山(撮影・木村 揚輔)
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 新大関の朝乃山は、格下の霧馬山に勝つには勝ったが、危ない一番だった。相手に右下手を許し、頭をつけられ、腰高の体勢にさせられて、土俵際まで押し込まれた。

 自分も右下手を取っていたのだから、右から振ってまわしを切るとか、左から振るなどして体勢を立て直せればよかったが、それができなった。ただその後、霧馬山が思わぬミスをしてくれたおかげで、勝ちを拾うことができた。角界では「相手が巻き替えそうとしたら前に出ろ」という勝負のセオリーがある。土俵際で霧馬山は寄っていくときに左を上手よりも下手の方が力が出ると思ったのか、左上手を巻き替えそうとした。大関はそのスキを見逃さす、体を入れ替え、前に出て寄り切った。朝乃山にとってはラッキーな白星となった。

 この日は自分の相撲を取り切れなかったが、新大関の場所で初日から5連勝で序盤を乗り切ったのは立派だ。長い15日間、毎日取っていればこういう流れの日も必ずある。その中でしっかり結果を残しているのだから自信を持っていい。この日の取組で、右を差した後の攻めに課題があることも分かったのだから、それを踏まえて、どう克服していくかを考えて取っていけば、安定感はさらに増していくはずだ。(元大関・栃東)

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