ラグビートップリーグの“薬物休止” 協会決定に選手会が反発

[ 2020年3月16日 21:28 ]

今月9日に会見し、3月中の開催を中止すると発表したラグビートップリーグ・太田チェアマン(撮影・尾崎 有希)
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 ラグビートップリーグの所属選手などで組織する日本ラグビーフットボール選手会(JRPA)は16日、公式ホームページで声明を発表し、日本ラグビー協会が「コンプライアンス教育の徹底」に伴いトップリーグ(TL)を3月いっぱい(3節=24試合分)の休止を決めた判断について、「今回の日本協会の判断は誠に遺憾。違法行為に無関係なその他の選手については通常通りのプレー機会が与えられるべき」などと批判した。9日のリーグ休止決定以降、選手側が公に協会側の決定に態度を表明するのは初めて。

 日本協会は今月4日に日野所属の選手が違法薬物使用容疑で逮捕されたことを受け、9日にコンプライアンス教育を徹底するとしてリーグ休止を決めた。昨年6月にも当時トヨタ自動車所属の選手2人が薬物で逮捕されており、その後再発防止策に取り組んできたにも関わらず、同一年度内に再び逮捕者を出した事態を重く見た上の判断とした。

 新型コロナウイルス感染拡大のために2月29日、3月1日の第7節から2節分の延期が決まっていたトップリーグは、当初14日から再開される予定で、9日をめどに判断される予定だった。仮に薬物問題が発生していなかったとしても再開は困難な状況だった中、「コンプライアンス教育の徹底」による休止決定には、一部から反発の声が上がっていた。

 ▽日本ラグビーフットボール選手会「ジャパンラグビートップリーグ2020開催休止の決定についての声明文」

 令和2年3月16日

日本ラグビーフットボール選手会 副会長 川村慎

 3月9日に日本ラグビーフットボール協会(以下JRFU)がジャパンラグビートップリーグ2020コンプライアンス教育の徹底に伴うリーグ開催休止の決定を発表しました。JRFUはこの度の休止理由を新型コロナウィルス対策と切り離し、あくまで違法薬物関連の問題に対してコンプライアンス教育の徹底を行うためであると申し述べておられます。

 薬物使用はいかなる理由であっても決して許されるべきでないことであり、同じ選手として誠に遺憾です。一方で、今回のJRFUによるリーグ休止に関するプレスリリースや一部報道において看過できない内容が見受けられため、この声明文の発表に至りました。

 まず、今回のJRFUの発表によって、リーグ内の全選手のプレー機会が失われました。我々選手たちはグラウンドで試合をすることが価値そのものです。公式戦へ向けて多くを犠牲にし、日々どれほどの想いでトレーニングに取り組んでいるか。また、その成果をファンの皆さんに観てもらう場所をどれほど待ち望み、楽しみにしているか。今回のJRFUの判断は誠に遺憾であると同時に、こうした我々選手の想いを蔑ろにしていると言わざるを得ません。

 違法行為には毅然とした対応を取るべきですが、違法行為に無関係なその他の選手については通常通りのプレー機会が与えられるべきだと考えます。

 また、昨年6月にも同様に薬物問題が発覚してから今回の問題が起こるまでのJRFUによる再発防止策は十分であったのか疑問であるにも関わらず、リーグ休止という処置は問題再発の責任の大部分を選手が負わされている形と言えます。

 よって我々選手会はこの度の問題再発における責任の所在を明らかにすること、及び今後1年間の再発防止のための具体的な取り組みの説明、全選手・関係者への早急な薬物チェック実施後のリーグ再開を望みます。

 同時に我々選手会は、今回の薬物問題を真摯に受け止め、JRFU、企業、チームからのコンプライアンス徹底の要請に協力することはもちろん、当会で従前行ってきた独自のコンプライアンス研修を充実させ、毅然とした態度で改善に取り組んでまいります。選手自身が、自発的に考え、行動していくことでラグビーの価値をいち早く取り戻し、ラグビーファミリーをはじめ、社会の皆さまに競技としての魅力をご理解いただけるよう努めたいと思います。

 加えて、今回の決定に関して選手の意見集約をさらに行い、今後のラグビー界の未来のための関係各所との連携、コミュニケーションに反映させてまいります。

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