ちょうど1年前はスタンド観戦 決勝トライの県浦和・山際「人生で一番」 全国高校ラグビー

[ 2019年12月30日 19:53 ]

第99回全国高校ラグビー大会第3日 2回戦   県浦和33―28青森山田 ( 2019年12月30日    花園ラグビー場 )

<青森山田・県浦和>後半、県浦和・山際は勝ち越しのトライを決める(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 27日の1回戦で3度目の出場で花園初勝利を挙げた県浦和(埼玉)が青森山田(青森)を下し、3回戦進出を決めた。来年1月1日の3回戦では、Aシードで優勝候補の桐蔭学園(神奈川)と対戦する。

 試合は当初、第3グラウンドの第6試合で行われる予定だったが、照明設備がなく、曇天での日没も考慮され、第1グラウンドに変更。開始も30分遅れの午後3時45分となり、花園史上初のナイターで県浦和フィフティーンが躍動した。

 まずは前半4分、SH宮崎(3年)のキックパスがWTB金田(2)につながり先制トライ。2トライ返され逆転を許すも、モールから主将のNo・8松永(3年)のトライで同点に追い付いた。後半開始直後に再びリードを許すも、松永の2トライ目で同点とすると、同17分にはゴール前のペナルティーからフッカー山際(2年)が速攻を仕掛けて決勝トライ。殊勲の2年生は「その前から相手ディフェンスの戻りがルーズだった。笛が鳴ったら仕掛けようと思っていた」としてやったりの表情だ。

 栃木県宇都宮市出身の山際だが、6年前に屈指の公立進学校でありながら花園に出場した同校に憧れを抱いた。本格的に進路を決める中2の時、埼玉出身の両親に思いを伝え、同意を得た。現在は父と妹を宇都宮に残し、母とともに父の実家で暮らし、ラグビーに打ち込む。支えてくれる家族への恩返しにもなったトライに、「ラグビー人生で一番気持ちいいトライだった」と喜んだ。

 ちょうど1年前の12月30日には、松永、宮崎と3人で来阪し、同じ関東勢の試合を中心にスタンドで観戦した。「1年後は、自分たちがプレーできたらいいと思っていた。3年生のことが本当に好きなので」と山際。1日でも長くプレーしたい。その思いは受験シーズンが間際に迫る3年生に何ら劣ることはない。

続きを表示

2019年12月30日のニュース