松山聖陵、大敗も意地見せた 「一貴の器用さを信じていた」FB中村キックからトライ演出

[ 2019年12月30日 15:30 ]

第99回全国高校ラグビー大会第3日 2回戦   東福岡100―14松山聖陵 ( 2019年12月30日    花園ラグビー場 )

<東福岡・松山聖陵>東福岡に敗れ、悔しげな表情をみせる松山聖陵フィフティーン(撮影・坂田 高浩)
Photo By スポニチ

 松山聖陵(愛媛)が東福岡相手に意地の2トライを奪った。0―31の前半16分、敵陣22メートル中央のスクラムからSH原井川陽仁(1年)、SO境太陽(2年)、FB中村一貴(2年)とつなぎ、中村が東福岡DFの裏側を狙ったチョップキックをWTB亀沢稜也(3年)がキャッチし右中間に飛び込んだ。

 「(トライできたのは)たまたまです。(中村)一貴のキックを信じていたので。たまたまバウンドが自分の方に来た」

 亀沢は謙遜したが、27日の1回戦勝利後から練ってきたスペシャルプレーだった。渡辺悠太監督が「うちの一番の武器である(中村)一貴の器用さをみんなが信じてついていったからこそ。一貴のキックは高校でもトップクラスにあると思っている」と振り返るように、この日までの練習時間の多くを費やしてきた。

 16年度大会では3回戦で東福岡と対戦し0―91の大敗を喫した。その試合を花園で観戦していた亀沢は「先輩の分までではないが、やってやろうという気持ちだった」という。先発15人中10人が1、2年生という若いチームの中で、3年生の意地を最後に示した。

 「背中で見せられたかな(笑い)。この借りは後輩たちが返してほしい」。1メートル62の小兵が最後に“大仕事”をして花園を去った。

続きを表示

2019年12月30日のニュース