大阪桐蔭 連覇へ初戦突破 後半5トライの猛攻も「5割、6割」 主将・奥井が70メートル独走トライ

[ 2019年12月30日 14:44 ]

第99回全国高校ラグビー第3日・2回戦   大阪桐蔭55―12茗渓学園 ( 東大阪市・花園ラグビー場 )

<高校ラグビー 大阪桐蔭・茗渓学園>後半4分、タックルを」かわし、独走トライする大阪桐蔭・奥井(右)(撮影・平嶋 理子)
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 史上9校目の大会連覇を目指す大阪桐蔭(大阪第1)が粘るノーシードの茗渓学園(茨城)を後半5トライの猛攻で突き放し、8大会連続の初戦突破を果たした。

 前半23分から茗渓学園のキックパスで立て続けに2トライを奪われた。前回大会王者としてピリッとしない試合展開が続いていた後半4分、U20日本代表のNo・8奥井章仁主将(3年)がビッグプレーでチームに喝(かつ)を入れた。相手キックオフのこぼれ球を自陣ゴールから30メートル付近でSH萩原周(3年)から受けると、相手守備1人を豪快にはね飛ばし、左右にステップを切りながらさらに前進。最後はタックルに来た2人を引きずりながらゴール左へボールを持ち込んだ。70メートルの独走トライ。1年生時から「怪物」と呼ばれ、チームの主力として花園で準優勝、優勝を経験した男の走りが相手に傾きかけていた試合を流れを力強く引き戻した。

 「雰囲気が悪い中でプレーでチームを引っ張りたいと思っていたので。あんまり走るキャラじゃないんですけど」

 今年7月のU20日本代表招集をきっかけに走れる体を目指して自ら肉体改造に着手した。「大好物です」という唐揚げやとんかつなど脂っこい食べ物を3カ月間、食卓から遠ざけ、昨季は106キロあった体重を102キロまで絞り込んで高校最後の花園を迎えた。

 「食生活を一から見直しました。去年までは後半バテることがあったんですけど、フィットネスが上がってその分、周りに声を掛けられるようにもなりました。今日、最後まで走り切れたのも体の質を変えたからだと思います」

 高校1年時に計測した50メートル走は6秒8。それ以降、タイムを出してはいないが、相手バックス陣をも振り切ったスピードには本人もビックリ。「ちょっとは速くなったのかな」と試合後、照れ笑いを浮かべた。

 「自分たちの形だけを考えると、5割、6割。まだ、力を残してると思います。奥井が流れを変えてくれた。あとはみんながここでどう気付くかです」

 花園初戦の硬さも見えたチームに大きな伸びしろを感じた綾部正史監督(44)。2大会連続の頂点まで残り4試合。王者はここから徐々にギアを上げていく。

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2019年12月30日のニュース