常翔学園「ONE TEAM」で進撃!メンバー外、保護者、OBが伝統ジャージー姿でスタンド埋める

[ 2019年12月30日 05:00 ]

フィフティーンに訓示し引き揚げる常翔学園・野上監督(右)=撮影・奥調
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 第99回全国高校ラグビー大会の2回戦は30日に大阪府東大阪市の花園ラグビー場で行われ、シード校が登場する。大工大高時代を含めて5回の優勝を誇るBシード常翔学園(大阪第2)は29日、大阪市内の学校で大分東明(大分)戦へ向けて調整した。今大会はメンバー外、保護者、OBが伝統のジャージーのレプリカを着用。スタンドも「ONE TEAM」になって戦う。

 歴代3位の全国93勝を誇る伝統校の常翔学園が花園で初の試みをする。メンバー外、保護者、OBが、大工大高時代から続く濃紺に赤の2本線のジャージーのレプリカを着用。30日の2回戦、大分東明戦のスタンドは、200~300人規模になる見通しだ。

 野上友一監督は「W杯の日本代表のように」と説明した。赤白のジャージーで客席が埋まったことが、代表の気持ちを高める要因になった。それをヒントに府大会から導入。春の全国選抜大会の出場を逃すなど、浮き沈みがあった代への、発奮材料として期待がかかる。初戦は赤のセカンドジャージーだが、心は一つだ。

 「一体感が大切だと思う。試合に出られないメンバーも一緒になって戦える」

 フランカー福本航平はそう力を込めた。5歳からSOなどバックス一筋で来たが、タックル力を買われて7月に転向。朝練後、タンパク質が豊富な「サラダチキン」をコンビニで買って4キロの増量に成功し、最終学年で定位置をつかんだ。飯田に35―0で勝利した相手は、フィジー人留学生No・8ブルとCTBナホがランとパスに優れる。封じるカギは「上下のダブルタックル」。1メートル70、83キロは刺客に名乗りを上げた。

 父・正幸さん(52)は、神戸製鋼V7時代のプロップで、昨季、チームディレクターとして名門を日本一に導いた「憧れの存在」。祖母宅で見つけた父直筆の「日々の日々の努力」という紙を自宅に持ち帰り、文武両道で実践してきた。AO入試に合格し、背中を追って慶大に進む。

 「FWになって指摘が厳しくなった」とアドバイスを受けてきた父は、ジャージーを着て初戦を観戦予定。成長した姿を見せる。

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2019年12月30日のニュース