崔虎星 5年ぶりの日本ツアー2勝目「ホテルに帰ってから女房と抱き合って泣きました」

[ 2018年11月26日 01:06 ]

男子ゴルフ カシオ・ワールドオープン最終日 ( 2018年11月25日    高知県芸西村 Kochi黒潮カントリークラブ 7335ヤード、パー72 )

優勝インタビューを終えた崔虎星は得意の回転打法で観客を沸かす(撮影・井垣 忠夫)
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 超変則打法で人気の崔虎星(チェホソン、45)が通算15アンダーで13年インドネシア・プロ選手権以来、5年ぶりの日本ツアー2勝目を挙げた。ホストプロの石川遼(27=CASIO)が通算3アンダーの40位で賞金80万円を加算し、賞金ランク27位で今週29日開幕の今季ツアー最終戦、日本シリーズJT杯への出場権をどん尻で獲得。ジャパンツアー選手会長の面目を保った。首位に5打差の18位から出た賞金ランク首位今平は通算8アンダーの13位に終わり、賞金王争いのゆくえは最終戦の日本シリーズに持ち越しとなった。賞金ランク2位ノリスとは約3340万円差。最終戦で単独3位に入るか、ノリスのV逸で初の賞金王が決まる。

 歓喜のパフォーマンスは期待に反して軽いガッツポーズのみ。日本開催のツアーで初の優勝を手にした“トラさん”こと崔虎星は「順位が分からなかったのでとりあえずバーディーを取っておこうと思った」と笑った。

 昨年のこの大会で13位に食い込み、賞金ランク62位のボーダーラインギリギリで5年連続のシード権を獲得した。「ホテルに帰ってから女房と抱き合って泣きました」。あれから丸1年、8歳年下の自慢の妻、ファン・ジナさんと笑顔で歓喜の瞬間を迎えた。

 元世界ランク1位ジャスティン・トーマス(米国)までをもトリコにする超変則スイング。それは25歳でゴルフを始めた崔虎星が体の硬さを補うために独学で編み出した打法。「まだ試行錯誤中。若い頃より飛距離は伸びてる」と45歳からの進化に自信を見せた。

 韓国の水産高校卒業後、水産加工会社に就職した。その後、マグロの解体作業中に右手の親指の先を切り落としてしまった。腹部の肉を移植して成形したものの兵役にもいけず、職を転々としてふさぎ込んでいた時に出会ったのがゴルフだった。住み込みでゴルフ場で働きながら見よう見まねでゴルフを始めて2年後にはプロに。超速の進歩を遂げた。

 かつて敬遠されていた外国勢の活躍を同じ韓国勢のイ・ボミやキム・ハヌルが変えた女子ゴルフ界。「男子ゴルフ界のイ・ボミになれますか」との問いに「頑張ります」と応えた崔虎星。この日、石川遼に続くギャラリーを集めたトラさんに人気回復への期待が掛かる。

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2018年11月25日のニュース