【岡崎真の目】紀平、3Aは高い成功率 あとはメンタル次第

[ 2018年11月25日 08:04 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第6戦フランス杯第1日 ( 2018年11月23日    グルノーブル )

SP2位の紀平(AP)
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 紀平のトリプルアクセル(3A)は少し回り急いだような感じで跳び上がった瞬間に軸が外に外れてしまった。本人も空中ですぐに「これはまずい」と思い、反射的に体がほどけたのだろう。1Aになってしまったので基礎点も0となり、いきなり大きな失点となったが、そこから立て直して残りの要素を丁寧にきちんとこなしたのは立派だった。

 NHK杯の時もSPで出遅れたが、原因は3Aへの不安というよりも、SPを大事にいかなくてはいけないというメンタル面の問題だろう。練習でも3Aの確率は高いはずで、自信もあるに違いない。ただ、昨年まではまだジュニアで、SPに3Aを組み込むことがほとんどなかった。今のプログラムに慣れてくればその辺の問題は解消されるはずで、次回はぜひきっちりと決めてほしい。

 三原は冒頭の連続ジャンプのセカンドで回転不足を取られた以外は流れも良かったし、NHK杯の時よりもスピードがあった。上位陣の差はわずかだが、3Aという大物を持っている紀平がフリーでNHK杯の時のような演技をすれば他の選手が勝つことは難しい。ファイナル進出のプレッシャーがかかる中で紀平がどんな演技を見せてくれるのかに注目したい。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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2018年11月25日のニュース