山県100М準決敗退も自己新10秒05「世界と距離縮まった」

[ 2016年8月16日 05:30 ]

準決勝 力走する山県(左から2人目)とボルト(同3人目)

リオデジャネイロ五輪陸上男子100メートル準決勝

 山県が準決勝で五輪における日本勢の100メートル最高タイムを記録。12年ロンドン五輪で自らが出した10秒07を破り、10秒05をマークした。「自己ベストが出たということは誇りに思うし、4年前の記録を超えられたのは素直にうれしい」

 決勝進出を逃し、言葉とは裏腹に表情は浮かなかった。ただし持ち味は発揮した。号砲反応タイム0秒109はこの組最速。「スタートと中盤がある程度通用するんだと思った。準決勝で世界との距離は縮まったと思う」と手応えも得た。

 2大会連続で力を出し切ったのは、内臓をかきむしられるような思いの果てだ。重圧がかかればかかるほど「夜、寝られないんですよ」という。目をつぶればスタートラインが浮かぶ。「そこをうまく走れるか」。再生しては巻き戻し。止められないイメージ動画の繰り返しに陥る毎日だ。

 「頭がおかしくなりそうだから違うことを意識しています」

 趣味の釣り動画を眺めて気を紛らわす。次は18日(日本時間18日深夜)の400メートルリレー予選。眠れぬ夜を乗り越え、限界の扉を開く。

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2016年8月16日のニュース