【立花泰則の目】種目別の難しさと怖さ…決まるか、崩れるかが紙一重

[ 2016年8月16日 05:30 ]

着地に失敗する白井

リオデジャネイロ五輪体操・男子種目別床運動決勝

(8月14日 リオ五輪アリーナ)
 種目別床運動の出場8選手で、技の難度の合計を示すDスコアの比較では、7・6の白井が最高で6・9の内村が続く。金メダルのウィットロックは6・8。世界トップの日本の2人がメダルに届かなかった要因は、「種目別の難しさと怖さ」と言っていいだろう。

 高難度の技で攻めの演技をする一発勝負の種目別では、0・1点を減点される小欠点は許されても、0・3点の中欠点は勝敗を分ける。特に、床運動は着地を何度も繰り返す特性から、着地勝負となるところがある。

 白井は、F難度のシライ2(前方伸身宙返り3回ひねり)の着地で腰が大きく沈み、足が動いた。これが0・3点以上の減点。さらに後方伸身宙返り2回半ひねり(D難度)から前方伸身宙返り2回半ひねり(E難度)の連続技でも着地が大きく2歩前に出て、1歩につき0・3点ずつの減点、さらに着地姿勢で減点された。

 繊細な技術の制御が要求される高難度の技は、決まるか、崩れるかが紙一重で、必ずしも実力通りに順位が出ない、種目別の難しさと怖さといえる。跳馬では今回のミスを生かして、白井らしく独創性に富む技で着地まで決めてほしい。(12年ロンドン五輪男子日本代表監督)

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