寺内、5度目五輪で…魔物は風「23年間であの得点は初めて」

[ 2016年8月16日 11:45 ]

男子板飛び込み予選 20位で準決勝進出を逃した寺内健

リオデジャネイロ五輪男子板飛び込み予選

(8月15日)
 寺内健(36=ミキハウス)にとって、五輪の魔物は風だった。15日に男子板飛び込みの予選が行われ、吹き荒れる風の影響で2本目はまさかの18・00点。6本合計380・85点の20位で、上位18人による準決勝へ進出できなかった。

 飛び込み競技が行われる午後になると風が徐々に強まり、会場外では観客を誘導するための柵が次々と倒れるほど。微妙なバランスが肝心な板飛び込みで影響がないはずがない。寺内の2本目。風がやむのを待ったが、いつまでたっても弱まらず思い切って飛んだ。「はっきり言って演技になるような踏み切りはできなかった」結果、「23年くらい競技生活している中であそこまでの得点は初めて」という18・00点を出してしまった。その他の5本は69・00点、70・95点、72・00点、76・50点、74・40点と安定した数字を出し、準決勝進出ラインまであと9・05点にまで迫った。それだけに2本目だけが悔やんでも悔やみきれない点数となった。

 今回が5度目の五輪出場だったが「オリンピックの、自分がここと思う大会でああいうパフォーマンスをしてしまう怖さ」と、調整に調整を重ねてきたにも関わらず落とし穴があったことを指摘。競技後に韓国メディアから受けた取材では「風にめちゃくちゃにされた男」のように言われたというが、それでも「同じ会場で同じ状況でみな競技している中で、結局は自分のタイミングが悪かっただけ。あそこで選んだのも自分だし、あの種目の順番にしているのも自分だし。想定したうえで取り組んでいたので」と言い訳をせず前を向いた。

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