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ポルトガル1部で選手が足りなくなり試合打ち切り コロナ禍で開始時の9人から退場続き

[ 2021年11月28日 12:15 ]

 欧州で新型コロナウイルス感染の再拡大が問題となっている中、ポルトガル1部で27日に試合の途中で選手が足りなくなって打ち切られる騒動があった。

 16位ベレネンセスは「オミクロン株」が問題となっている南アフリカからの帰国選手を含めた14選手とコーチ3人の総勢17人が新型コロナ検査で陽性と判定される事態に見舞われ、27日に控えていた3位ベンフィカとのホーム戦延期を求めたが、試合は開催。出場可能な9選手にGK2人が含まれたため、1人をフィールドプレーヤーとして起用して試合が始まったが、開始24秒にオウンゴールで先制を許すと、その後も失点を重ねた。

 前半を0―7で折り返し、後半開始にピッチに戻ったのは7人だった。サッカーの競技規則で通常11人で行われる試合の開催に必要な人数が7人と規定されている中、要件を満たす最低の人数となって後半が始まったが、2分後にGKを本職としているフィールドプレーヤーが負傷。試合続行が不可能な6人となって打ち切られた。

 ベレネンセスのソアレス会長はリーグに開催延期の要請が却下され、試合を棄権した場合は勝ち点減点処分を受ける可能性があったことを明かし「本日ここで起こったことは大いなる恥。正当化する規定はない」と非難。各選手も試合前の段階でインスタグラムにイレブンが肩を寄せ合うモノクロの写真を投稿し「サッカーは正しく競われた場合のみ色彩に彩られている。本日、サッカーは色彩を失った」などと抗議のメッセージを記した。

 元ポルトガル代表MFで現在は名門ベンフィカのトップを務めるルイコスタ会長は7―0の大勝にも「我々は規則に従っただけ。試合はしたくなかった。ポルトガルのサッカー界や国家にとって暗黒の出来事となったことを残念に思う」と嘆いた。スポルティングやポルトなど他クラブからも強行開催を批判する反応が続き、ポルトガルのプロ選手組合がリーグに加え、試合開催の判断にかかわった保健当局も含めて緊急会談を要請している。

 スポーツ専門局ESPNによれば、ベンフィカはボール保持率83―17%、シュート数17―0と圧倒。暫定首位に浮上したが、後味が悪い勝利となった。

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2021年11月28日のニュース