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ベルギー主将コンパニー不在で守備不安、米国は気になる疲労蓄積

[ 2014年7月1日 13:40 ]

ベルギーのコンパニー主将(AP)

W杯決勝トーナメント1回戦 ベルギー―米国

(7月1日 サルバドル)
 決勝トーナメント1回戦最後の一戦は、圧倒的な力を見せて1次リーグを勝ち上がったベルギーとしぶとく生き残った米国が対戦。見どころをサッカージャーナリスト粕谷秀樹氏に聞いた。

 ベルギーのキャプテン、コンパニーは6月25日から練習にも参加していないといわれている。鼠蹊(そけい)部の痛みが再発し、グループリーグ(以下GL)第3節の韓国戦は欠場。大事をとって決勝トーナメントに備えていたが、おそらく米国戦には間に合わず、出場できたとしても最高のパフォーマンスは期待できない。

 ベルギーにとって、大きなダメージである。チームリーダーとして、DFラインの要として、コンパニーは必要不可欠の存在だ。代役候補のフェルトンヘン、ロンバーツ、ファンブイテンはいずれも不安定で、フェルマーレンもハムストリングを痛めている。代表デビュー以来、GKクルトワが13勝6分無敗とはいえ、コンパニを欠いた守備陣の戦力は大幅に低下する。

 一方、米国は今大会も組織され、勝負強いチームだ。GL第3節ではドイツに0―1で敗れたものの、攻守とも互角以上に渡り合った。大腿部を痛めたアルティドアは欠場濃厚だが、チーム全体がコンセンサスを得ているため、ひとりの選手の有無が深刻にならないことが強みでもある。FWデンプシーの駆け引き、ブラッドリーを軸とする2列目の連係をもってすれば、コンパニー不在のベルギーDF陣を攻略するのはそれほど難しくない。

 しかし、ただでさえ高温多湿の今大会で、ナタル→マナウス→レシフェという、とくに厳しい条件でGLを闘ってきた米国の肉体的なダメージは気にかかる。疲弊していなければいいのだが……。

 ◇粕谷秀樹(かすや・ひでき) 東京都・下北沢生まれ。「日本スポーツ企画出版社」にて週刊サッカーダイジェスト副編集長、月刊(後に月二回刊)ワールドサッカーダイジェスト初代編集長、同社の編集局次長などを経て、2001年に独立。現在は「スカイパーフェクTV!」、「Jスポーツ」などで、欧州チャンピオンズリーグ、プレミアリーグの解説者として活躍中。

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2014年7月1日のニュース