藤井正弘の血統トピック

【ジャパンC】潮目飾るか純正国産配合3頭

[ 2019年11月21日 05:30 ]

 創設39回目にして初めて外国招待馬不在で行われるジャパンCだが、「世界に通用する強い馬づくり」という所期の目的はシンボリルドルフ(第5回)とトウカイテイオー(第12回)による父子2代制覇によって達成されていたともいえる。トニービン、ブライアンズタイム、そしてサンデーサイレンスの3大種牡馬の時代には、すでに血統面においても芝2400メートル部門の世界最上級の血脈が日本にプールされるようになっており、少なくとも日本ダービーコースにおいては四半世紀前から日本産馬の優位は不動だった。

 一方で海外ビッグネームの参戦は輸入種牡馬、繁殖牝馬の顔見せ興行というパターンが常態化していたのだが、それも内国産血統全盛時代を迎えた現在では望むべくもない。当コラムでは例年、影が薄くなる一方の招待馬に血統面からの肩入れを続けてきただけに相応の喪失感はあるが、つまるところは来るべき時が来たにすぎない。

 日本調教の日本産馬だけで争われる今年は、出走全馬が父も日本産。ある意味で究極の“ジャパン”カップとなったわけだ。キングカメハメハ産駒のユーキャンスマイル(母の父ダンスインザダーク)、ディープインパクト産駒のワグネリアン(母の父キングカメハメハ)とジナンボー(同)は母の父まで日本産という純正国産配合。潮目の一戦にふさわしい血統だろう。 (サラブレッド血統センター)

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