藤井正弘の血統トピック

【天皇賞・春】タイトルホルダー以上の活躍見込めるドゥレッツァ

[ 2024年4月24日 05:30 ]

 昨年の菊花賞を圧勝したドゥレッツァと3000メートル級グレード連勝中のテーオーロイヤル。今回の天皇賞ではおそらく、キングカメハメハ後継種牡馬の産駒が人気を二分することになる。
 3着に終わった2年前の当コラムでも言及したことだが、テーオーロイヤルの長距離適性の源泉は、父リオンディーズの母の父スペシャルウィークと自身の母の父マンハッタンカフェという春の天皇賞馬を経由したサンデーサイレンス3×4。父母双方に潜むスタミナ因子が配合の妙で前面に押し出されたものと推察される。天才肌の2歳王者という父のイメージは捨ててかかるべきだろう。

 一方のドゥレッツァは2年前の優勝馬タイトルホルダー同様、最新の菊花賞馬でもあるドゥラメンテ産駒。逆説的ながら2000メートルの前走の敗戦によって明確になったステイヤー資質のルーツは母系にも求められる。

 モアザンレディ×デインヒルという母モアザンセイクリッドの血統の字面から、菊花賞でも距離を不安視する向きはあったのだが、この母は芝2400メートルのG1ニュージーランドオークス優勝馬。カーリアン産駒の3代母タマリノは、BCターフを制した米芝牡馬チャンピオンのノーザンスパー、英国のトラディショナルな超長距離GレースのドンカスターCとジョッキークラブCでデュアル兄弟制覇を果たしたネラー、グレイトマーケスの半妹で、一皮むけばスタミナの塊のような血統構成なのである。タイトルホルダーの再来、あるいはそれ以上の可能性を見込んでおきたい。 (サラブレッド血統センター)

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