藤井正弘の血統トピック

【天皇賞・春】マテンロウレオ 銀メダル“本命”のハーツクライ産駒

[ 2023年4月26日 05:30 ]

 連覇に挑むタイトルホルダーはキングカメハメハ系、ひいてはミスタープロスペクター父系にとって初の春の天皇賞馬という画期的な存在。9年に及ぶステイゴールド、ブラックタイド&ディープインパクト兄弟の“連立政権”に終止符を打った父のドゥラメンテは、ステイヤー血統の進化形ともいえるだろう。ちなみに前年覇者の再エントリーは14年フェノーメノ、17年キタサンブラック、20年フィエールマンと、過去10年で勝率100%。必然的に当コラムの切り口も今回は2着争いということになる。

 過去4勝のステイゴールド、過去3勝のディープインパクトはそれぞれに孫世代を含めた多頭数出しだが、「2着血統」という観点から浮上してくるのは種牡馬ハーツクライ。14年ウインバリアシオン、15年フェイムゲーム、16年カレンミロティック、17、18年シュヴァルグランと、5年連続で2着馬を送り出した春の天皇賞最強のシルバーコレクターである。

 ハーツクライ産駒のマテンロウレオは、3代母が米G111勝を挙げて“鉄の女”の異名を取った名牝レディーズシークレット。母の父ブライアンズタイムは父として97年レコード勝ちのマヤノトップガンを出し、12年に単勝万馬券の波乱を呼んだビートブラックの母の父となった。母系の血も長距離仕様。“5年ぶり6度目の銀メダル”は十分に狙える。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る