藤井正弘の血統トピック

【阪神JF】“キセキの配合”ドゥアイズ 母父ディープインパクトの反転攻勢加速

[ 2022年12月7日 05:30 ]

 06年ウオッカ、07年トールポピー、08年ブエナビスタ、09年アパパネと、2000年代後半には立て続けに翌年のクラシック第2冠の優勝馬を送り出した阪神ジュベナイルフィリーズだが、以後の勝ち馬でのちに東京2400メートルG1で連に絡んだのは16年の覇者ソウルスターリングのみ。阪神コース改修から歴史を重ねるにつれ、近未来のオークス(ダービー)馬が勝ちにくいレースに変容してきたことが分かる。

 その間に複数の優勝馬を出した種牡馬は3勝(11年ジョワドヴィーヴル、14年ショウナンアデラ、18年ダノンファンタジー)のディープインパクトと2勝(15年メジャーエンブレム、19年レシステンシア)のダイワメジャー。この2大マイラー製造サイヤーが2歳女王決定戦の方向性をスピード寄りにシフトさせたともいえるだろう。

 今回はダイワメジャーの産駒が不在で、ディープインパクトも抽選対象のライトクオンタムのみだが、母の父として前者はラヴェルとモリアーナ、後者はドゥアイズを送り込む。中でもルーラーシップ産駒のドゥアイズは、今のところ母の父としてのディープインパクトの最高傑作である菊花賞馬キセキと同配合。エリザベス女王杯のジェラルディーナで5年に及ぶG1連敗に終止符を打った「母の父ディープインパクト」の反転攻勢を加速させるかもしれない。(サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る