藤井正弘の血統トピック

ケンタッキーダービーで注目の「いとこ対決」

[ 2024年4月17日 05:30 ]

 5月4日の第150回ケンタッキーダービーに挑むフォーエバーヤングが13日、ドバイからシカゴを経由した長旅を終えて無事、決戦の舞台となるチャーチルダウンズ競馬場に到着した。

 前走のUAEダービーでデビュー5連勝を飾り、最新のブックメーカーの前売りでも4番人気前後と、有力馬の一頭に挙げられているフォーエバーヤングにとって、最大のライバルと目されるのは6日のG1ブルーグラスSを完勝したシエラレオーネ。14日現在の「ロード・トゥ・ザ・ケンタッキーダービー2024」のポイントリーダーである。

 シエラレオーネは、BCクラシックなどG16勝を挙げた17年米年度代表馬ガンランナーの第3世代。母のヘヴンリーラヴも米G1アルシバイアディーズS優勝馬という血統で、この母の2歳違いの半姉がフォーエバーヤングの母であるフォエヴァーダーリング。つまりフォーエバーヤングとは、04年JRA賞年度代表馬ゼンノロブロイの半姉である祖母ダーリングマイダーリングを共有するいとこの間柄ということになる。

 先週の当欄でも書いた通り、クラシックにおける「いとこ対決」はドメスティックな枠組みでも非常に珍しい。まして日本産馬と米国産馬の世代トップクラスがいとこ同士で、それぞれの狭き門をくぐり抜けた末にケンタッキーダービーで覇を競うとなると、天文学的な確率と言ってもオーバーではないだろう。皐月賞では不発に終わった“ワンツー”を期待したい。 (サラブレッド血統センター)

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