藤井正弘の血統トピック

レインボーラインの長打力を受け継ぐか

[ 2022年9月7日 05:30 ]

 【2歳新種牡馬紹介(11)】先週取り上げたグレーターロンドンは初年度血統登録産駒44頭の中から小倉2歳S勝ちのロンドンプランを送り出した。シリーズ最終回は同様の少数精鋭型から第2のグレーターロンドンを掘り出してみよう。

 レインボーライン(父ステイゴールド)は18年春の天皇賞馬。競走馬としての完成形はステイヤーだったが、3歳時のアーリントンC優勝、NHKマイルC3着でスピード能力の裏付けもある。初年度産駒は26頭。芝デビューの産駒に父系特有の長打力を期待したい。

 初年度産駒10頭のスノードラゴン(父アドマイヤコジーン)は6歳時にスプリンターズSを制し、11歳春の高松宮記念まで計61戦の現役生活を全うした。今や絶滅危惧種に近いフォルティノ系の貴重なG1ホース。その血脈には頑健な体質に裏打ちされた生命力が潜む。

 ニシケンモノノフ(父メイショウボーラー)は17年JBCスプリントなどダートグレード4勝を挙げたマル地の快速馬。父系祖父タイキシャトル由来の二刀流のスピードは、代を経てダート特化型として固定された。大半が地方入厩の初年度産駒34頭の中から自身同様、全国レベルに台頭する馬が現れるかも。

 マクマホン(父ラモンティ)は島川隆哉オーナーの勝負服で17年イタリアダービーを優勝した。サトノクラウンの父マルジュが3代父で、ラストタイクーン系の最先端モデルということになる。初年度産駒は26頭。南関東で3戦全勝のサムタイムアゴーを筆頭に、既に地方で5頭が勝ち上がっている。血統的にはいずれ芝をこなす馬も現れるだろう。

 プレティオラス(父フィガロ)は12年の東京ダービー馬。わずか6頭の産駒から単勝14番人気で栄冠賞勝ちのコルドゥアンが出た。意外性という点でも要注目だ。(サラブレッド血統センター)

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