藤井正弘の血統トピック

パンサラッサ 暫定世界1位へ

[ 2023年3月1日 05:30 ]

 パンサラッサの1000万ドルの逃走劇をクライマックスに、今年も日本調教馬の草刈り場となったサウジカップデー開催。ダートの現役最高レーティング馬テイバが着外に沈んだメインのサウジカップは、パンサラッサ、ジオグリフの芝G1ホースだけでなく、ダートのプロパーであるカフェファラオ、クラウンプライドもダート現役No.2のカントリーグラマーと差のない競馬をしたことに大きな価値がある。過小評価されている気がしないでもない日本のダート競馬だが、今回の快挙は基準値の底上げにつながるはず。パンサラッサはおそらく、3月第1週に発表される本年最初の世界ランキングにおいて日本調教馬史上初めてダート部門の暫定トップに立つだろう。

 もちろんダートだけでなく、本業の芝でも日本馬は強かった。1351ターフスプリントを制したバスラットレオンは、連覇に挑んだソングライン(10着)と同じキズナ産駒。種牡馬単位では見事なV2達成である。レッドシーターフHのシルヴァーソニックはオルフェーヴル産駒で、こちらは昨年の覇者ステイフーリッシュからステイゴールド父系のバトンを受け継いだ形。ちなみにオルフェーヴル産駒の海外GウイナーはBCディスタフのマルシュロレーヌ、ネオムターフカップのオーソリティに次いでシルヴァーソニックで3頭目となる。競走馬としても種牡馬としてもアウェーに強かったステイゴールドの血は代を経ても健在だ。 (サラブレッド血統センター)

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