藤井正弘の血統トピック

イクイノックスについた四半世紀ぶりの史上最高値

[ 2023年1月25日 05:00 ]

 先週、発表された競走馬の世界ランキング「ロンジン・ワールドベストレースホースランキング2022」における最大のサプライズは、フライトラインの年間確定レーティングが1ポイント上方修正されたことだった。ドバイワールドCの覇者カントリーグラマーに19馬身1/4差というパシフィッククラシックに与えられた139の暫定値には、フランケルの140はアンタッチャブルという不文律が見え隠れしていたのだが、続くBCクラシックの圧勝による合わせ技で“引き分け”に持ち込んだ形。13年に行われたレーティングの歴史的見直しで史上最高値となった140は、これで芝、ダートに共通するオールタイムランキングのスタンダードに設定されたわけだ。

 史上最多の48頭がランクインした日本調教馬の首位はイクイノックスの126。3歳馬、距離区分Lで22年世界トップとなるレーティングは、日本調教3歳馬として01年クロフネの125、同3歳芝距離区分Lで05年ディープインパクトなどの124を超える今世紀最高値で、98年エルコンドルパサーと並ぶ史上最高値。こちらも四半世紀ぶりの画期的レーティングである。

 イクイノックスの母の父キングヘイローの父ダンシングブレーヴは、前記13年の歴史的見直しで141から138に下方修正され、歴代トップの地位を失った。その血を受け継ぐイクイノックスは事実上の世界王者として今季に臨む。夢は大きく「140超え」のパフォーマンスを期待したい。(サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る