藤井正弘の血統トピック

父子制覇へ5頭の“2世”集結JBCスプリント

[ 2022年11月2日 05:30 ]

 G1シリーズ中休みの今週は地方競馬最大のイベント、第22回JBC開催が行われる。菊花賞のアスクビクターモア、天皇賞のイクイノックスと続いた“父子制覇”がこの秋の血統トレンド。舞台が盛岡と門別に移ったダート競馬の祭典でもレディスクラシック以外の3競走に歴代JBCウイナーの産駒のエントリーがある。輸入血統への依存度が高かったダート部門でも芝同様、いずれ日本独自のサイヤーラインが確立される予兆といえるだろう。

 特に注目したいのはJBCスプリント。既に15年コーリンベリー、20年サブノジュニアが父子制覇を果たした03年の優勝馬サウスヴィグラス産駒のテイエムサウスダンとキラットダイヤ、13年の優勝馬エスポワールシチー産駒のイグナイター、07~09年のJBCクラシックを3連覇したヴァーミリアン産駒のリュウノユキナ、10、11年に同じくJBCクラシックを連覇したスマートファルコン産駒のティーズダンクと、5頭の“JBC2世”がJRAを含めたダート1200メートルの国内最高賞金競走(8000万円)に集結した。

 2年連続出走のリュウノユキナは、当コースのクラスターC優勝を含めダート1200メートルの重賞、オープン特別では13戦連続馬券圏内という超堅実派。盛岡開催の今年は変則的なJBC父子制覇のチャンスだろう。17年に種牡馬を引退した父にとってはおそらく最後の後継候補。ビッグタイトル奪取で貴重な血脈を次世代につないでもらいたい。 (サラブレッド血統センター)

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