藤井正弘の血統トピック

レイデオロ ルーキー最多、産駒128頭 ディープインパクト牝馬との交配で“一挙両得”

[ 2023年7月5日 05:20 ]

 【2歳新種牡馬紹介(2)】 レイデオロ 2014年生まれ 鹿毛 安平産 父キングカメハメハ、母ラドラーダ(母の父シンボリクリスエス)中央・UAEで17戦7勝 主な勝ち鞍は日本ダービー、天皇賞・秋、神戸新聞杯、オールカマー、ホープフルS 2歳産駒128頭。

 大種牡馬キングカメハメハが残した現在のところ最後の牡馬芝G1ウイナー。デビュー3連勝でホープフルSを制し、3歳初戦の皐月賞は5着に終わったものの、日本ダービーでは後方追走から向正面一気の奇襲で2番手に押し上げ、フルゲート18頭のうち9頭までが上がり33秒台を記録する極限の瞬発力勝負をしのぎ切った。

 神戸新聞杯で2戦連続の“父子制覇”を果たした後はジャパンCに向かい、東京2400メートルの持ち時計を3秒短縮して2着確保。17年JRA賞最優秀3歳牡馬に選出された。

 4歳春は不本意なレースが続いたが、秋初戦のオールカマーで復活。続く天皇賞を1分56秒8の好タイムで差し切り、父が故障のため断念せざるを得なかった国内唯一の非世代限定中距離G1タイトルを手に入れている。

 3代母が名牝にして名繁殖ウインドインハーヘアで、一族ではディープインパクト以来のクラシックホース。くしくも供用開始の前年に没した2大チャンピオンサイアーのハイブリッドともいえる血統構成も相まって、種付料600万円に設定された初年度から196頭の交配牝馬を集め、本年のルーキー最多となる128頭の血統登録産駒を得た。

 特にディープインパクト牝馬との交配では、自身が持たないサンデーサイレンス血脈と牝祖ウインドインハーヘアの3×4が一挙両得となる。この配合面の特権を最大限に活用した現2歳は母馬の質も最上級。自身を超える大物の出現を期待するのも無理筋ではないだろう。(サラブレッド血統センター)

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