藤井正弘の血統トピック

【菊花賞】ガイアフォース 父キタサンブラックの不安一掃V再現へ

[ 2022年10月19日 05:30 ]

 セントライト記念の直線、アスクビクターモアを差し返したガイアフォースのパフォーマンスには7年前の父キタサンブラックが重なって見えた。「母の父サクラバクシンオー」が不安視された菊花賞においても、トライアル同様の勝負強さを発揮したこの父が皐月賞2着、ダービー4着のリアルスティールに競り勝ったのは記憶に新しい。

 今回のガイアフォースは、父として1600メートル超のG1未勝利という母の父クロフネのスピード志向が懸念されている点を含め、あらゆる状況が7年前の父に酷似している。96年の優勝馬にして3頭の優勝馬の父となった祖母の父ダンスインザダークは、ディープインパクト以前で最強の菊花賞サイヤー。これまた父子制覇への血統的な伏線といえるだろう。

 対ガイアフォースという視点で怖いのは、キタサンブラックの父であるブラックタイド産駒のフェーングロッテン。G1スプリンターのピクシーナイトの半弟ながらデビュー以来、一度も1800メートル未満の距離を走っていない同馬は祖母の父がサクラバクシンオー。母の父キングヘイローを挟んだ“キタサンブラック配合”の応用形である。
 スターズオンアースの3冠を阻止したのは、その父系祖父キングカメハメハ産駒のスタニングローズだった。今週も「祖父」が予定調和を崩す可能性なきにしもあらずだ。 (サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る