藤井正弘の血統トピック

サウジC挑戦ジオグリフの砂適性は父が後押し

[ 2023年2月22日 05:30 ]

 今週末、サウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われる世界最高賞金競走、サウジカップに6頭の日本調教馬が挑む。カフェファラオ、ジュンライトボルトのダートG1ウイナー、昨年のドバイターフの覇者パンサラッサ、同じくドバイターフで2年連続馬券に絡んだヴァンドギャルド、昨年のUAEダービー優勝馬クラウンプライドの中東マイスターに加え、昨年の皐月賞馬ジオグリフという多彩かつ強力な布陣。ブックメーカーの前売りオッズでは今のところ米国勢優位だが、レース単位で史上最高額の外貨獲得も十分にあり得るだろう。

 特に皐月賞馬ジオグリフのコンバートは、血統面からはある意味で満を持してともいえるもの。北米芝牡馬チャンピオンである父系祖父ジオポンティの隔世遺伝的な芝適性を示しているジオグリフだが、父のドレフォンはBCスプリントに勝ったダートの快速馬で、現3歳まで2世代のJRA累計勝利数も芝26勝に対してダートは約4倍の100勝。ダート適性はいわば産駒の標準装備なのである。

 ドレフォン産駒で同期の若葉S勝ち馬デシエルトは、再コンバートのダートで東京1600メートル1分33秒5のレコードを樹立した。同馬とは母の父キングカメハメハ、祖母の父サンデーサイレンスまで血統表の8分の7が共通する。全天候馬場の11年ドバイワールドCを制したヴィクトワールピサ以来となる皐月賞馬の“G1二刀流”チャレンジ。大きな成果を期待したい。 (サラブレッド血統センター)

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