藤井正弘の血統トピック

ドゥラメンテ初「父内国産」王者

[ 2023年12月30日 05:30 ]

 最後まで目が離せなかったキングカメハメハ後継による総合リーディング争いは、有馬記念2着スターズオンアース、3着タイトルホルダーで3億3000万円を加算したドゥラメンテの“差し切り”で決着。11年続いたディープインパクトの長期政権に終止符が打たれ、史上初の「父内国産」チャンピオンサイヤーが誕生した。父キングカメハメハ、母の父サンデーサイレンス、祖母の父トニービン、3代母の父ノーザンテーストと、歴代チャンピオンサイヤーが網羅されたドゥラメンテの血統表は、さながら日本産血統の進化の縮図。改めて早世(21年没)が惜しまれるが、来年は最有力の後継タイトルホルダーが種牡馬入りし、次世代に受け継がれるだろう。

 2歳リーディングはディープインパクト後継のキズナが初戴冠。勝ち馬頭数は自己最多タイの29頭を記録した。現2歳は初年度産駒の活躍を受けて交配牝馬が質、量ともにグレードアップした世代。4年周期の当たり年を予感させる。2年連続2位のエピファネイアに迫ったのが新種牡馬スワーヴリチャード。ルーキーイヤーのJRA獲得賞金4億円超えはサンデーサイレンス、ディープインパクトなどに次いで6頭目。近未来のリーディング級の活躍は約束されている。

 BMS(母の父)部門はディープインパクトで、獲得賞金は昨年のキングカメハメハを上回る直近5年の最多。今度は母の父としての長期政権を築く構えだ。(サラブレッド血統センター)

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