藤井正弘の血統トピック

“大阪杯VIP”ディープインパクト産駒プラダリア

[ 2024年3月27日 05:30 ]

 過去7回のG1大阪杯の最多勝サイヤーは19年アルアイン、21年レイパパレ、22年ポタジェで3勝のディープインパクト。G1元年の17年は全兄ブラックタイド産駒のキタサンブラックに栄誉を譲ったが、その前のG2時代を14年キズナ、15年ラキシス、16年アンビシャスのパンチアウトで締めくくっていた。ちなみにG1昇格の申請には、直近3年のレースレーティング(1~4位入線馬の当該年度確定レーティングの平均値)が115以上であることが必要条件となっている。種牡馬ディープインパクトは“最多勝サイヤー”であると同時に、G1大阪杯の生みの親でもあるわけだ。

 加えてディープインパクトにはG1大阪杯の穴メーカーという裏の顔がある。前記アルアインは単勝9番人気、レイパパレは4番人気、ポタジェは8番人気での勝利で、単勝平均配当は3103円。キタサンブラックに迫った17年2着のステファノスも7番人気だった。1番人気コントレイル、2番人気グランアレグリアが3、4着に沈んだ21年を含め、勝っても負けても波乱の原動力となっているのである。

 昨年はG2当時の13年以来、10年ぶりに産駒が馬券に絡まなかった。没後5年目を迎える“大阪杯VIP”の威光が物理的に薄れつつあるのは事実で、2頭出しは今回のキラーアビリティとプラダリアで見納めになるかもしれない。プラダリアは母の父クロフネも前出レイパパレ、ステファノスと共通する大阪杯の穴配合。5歳にして初のG1制覇の目は十分にある。 (サラブレッド血統センター)

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