藤井正弘の血統トピック

オグリキャップ直系“ひ孫”フォルキャップ サイヤーライン次代につなぐか

[ 2022年10月5日 05:30 ]

 9月29日、門別競馬の2歳未勝利戦(ダート1000メートル)で初勝利を挙げたフォルキャップは、血統登録産駒が本年初めて2歳を迎えた新種牡馬クレイドルサイアーの産駒。名馬オグリキャップ直系の“ひ孫”である。

 フォルキャップの父クレイドルサイアーはキングカメハメハやハーツクライと同期の2001年生まれ。オグリキャップ唯一の後継種牡馬ノーザンキャップ(中央3勝のオグリキャップ産駒最多獲得賞金馬)産駒のこれまた唯一の血統登録産駒である同馬は、2歳時に門別で2戦していずれも秒単位の大敗という凡庸な競走馬だった。13歳となった14年に生産牧場のクレイドルファームで種牡馬入りし、供用6年目の19年に交配した5頭の牝馬から初めて生まれた血統登録産駒がフォルキャップと27日に門別でデビューしたオグリヨンセイ。21歳のルーキーサイヤーは国内はもちろん、世界的にも最高齢記録だろう。

 オグリキャップ産駒最後の勝利は10年5月30日の金沢競馬でアンドレアシェニエによって記録された。父系単位では実に12年ぶりの復活劇は、優勝劣敗による血統淘汰(とうた)の歴史とは別次元の“父祖の七光”の賜物(たまもの)といえる。ある意味で趣味的な馬産の成果を論評することは無粋だが、フォルキャップは第一義的資質である牡馬で、祖母がサンデーサイレンスとブライアンズタイムを併せ持つ北九州短距離S勝ちの快速マンデームスメという血統。サイヤーラインを次代につなぐ可能性は十分にある。(サラブレッド血統センター)

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