藤井正弘の血統トピック

キズナ、リアルインパクト…後継続々、「種牡馬の父」ディープの正念場

[ 2019年6月27日 05:30 ]

 【2歳新種牡馬紹介(1)】今週からスタートする恒例の夏季集中連載「2歳新種牡馬紹介」。第1回は各種統計面から今年のルーキーサイヤーを検証する。

 27日の栄冠賞(門別)にはラインアップの一頭であるマジェスティックウォリアーが有力馬ヘイセイメジャーを送り込んでいる。前開催から2歳戦が始まったJRA開催でも勝ち馬を連発と、今年の新種牡馬は例年以上に立ち上がりが早い印象を受けるのだが、これには量的な裏づけがある。

 国内供用初世代が今年、北半球暦で2歳を迎えた種牡馬は2010年代で最多となる37頭。各種牡馬の現2歳血統登録産駒の合計は1308頭で世代総血統登録産駒7110頭に対する約18・4%という「市場占有率」は05年の18・8%以来、実に14年ぶりの高パーセンテージなのである。

 父系別種牡馬数と血統登録産駒数は、サンデーサイレンス系を中心とするヘイルトゥリーズン系が22頭で967頭と圧倒的多数。以下、ノーザンダンサー系が7頭で118頭、ミスタープロスペクター系は6頭で129頭、相変わらず少数精鋭のナスルーラ系は2頭で94頭となっている。種牡馬単位の最多はすでに2頭の勝ち馬が出ているキズナの182頭。ディープインパクト後継は他にもリアルインパクト93頭、ワールドエース86頭、スピルバーグ69頭、ヴァンセンヌ40頭と、5頭合算で470頭の大攻勢をかけてきた。現2歳世代は「種牡馬の父」としてのディープインパクトの正念場といえるだろう。(サラブレッド血統センター)

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