藤井正弘の血統トピック

【ヴィクトリアM】ソウル 父の復元力、母の打たれ強さも後押し

[ 2019年5月9日 05:30 ]

 09年ウオッカに始まり、10年ブエナビスタ、11年アパパネと3年続けて2歳牝馬チャンピオンが優勝したように元来、ヴィクトリアマイルは阪神JFと非常に親和性が高かった。付け加えればこの3頭は、いずれも東京2400メートルのクラシックホースでもある。5歳初戦となるソウルスターリングは3年前の2歳女王にして2年前のオークス馬。先例を踏まえると、やはり重視すべき実績の持ち主といえる。

 ソウルスターリングの父フランケルはG1・10勝を含む14戦全勝の歴史的名馬。種牡馬としても初年度産駒から昨年の世界ランキング牡馬首位のクラックスマンという最良の後継候補を出した。自身は5歳以降に出走歴がなかったが産駒は今年、UAEのドリームキャッスルが5歳にして初G1(ジェベルハッタ)制覇。キープ力、復元力といった資質を伝えることも実証されている。

 母のスタセリタは仏国のオークスにあたるディアヌ賞など、こちらもデビュー6連勝を記録したエリートだったが、凱旋門賞で負けを知ってからも4歳時にジャンロマネ賞、米国に移籍した5歳時にはビヴァリーDS、フラワーボウル招待SとG1・3勝を追加してみせた。この母が示した打たれ強さは特に注目に値する。血統面からは天才少女復活の可能性なきにしもあらずだ。(サラブレッド血統センター)

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