藤井正弘の血統トピック

【ジャパンC】カプリ軽視禁物の配合パターン

[ 2018年11月22日 05:30 ]

 今年のジャパンCには久々に海外のクラシックホースが参戦してきた。アイルランド調教の4歳牡馬カプリ。英セントレジャー馬としては09年のコンデュイット以来、アイルランドダービー馬としては14年のトレーディングレザー以来の来日である。

 草創期に猛威を振るった外国招待馬も05年のアルカセットを最後に勝利から遠ざかっている。その背景にあるのはサンデーサイレンスがもたらした日本産馬の飛躍的なレベルアップ。事実、直近8年の優勝馬は例外なく3代血統表にサンデーサイレンスの名があるのだが、一方で前記アルカセットが樹立した2分22秒1の日本レコードは更新されないまま13年が経過しようとしている。上がり3Fの瞬発力勝負に特化して進化してきた国産血統は、トップスピードの持続力という点で停滞期に入っているという見方もできる。

 カプリの父ガリレオは2010年から英愛チャンピオンサイヤーの座に君臨し続ける大種牡馬。昨年5着に食い込んだアイダホもこの父の産駒だったし、孫世代のフランケル産駒ソウルスターリングは同じ東京2400メートルのオークスを完勝した。母の父にダンチヒ後継アナバーを据えたカプリの配合パターンは、同じくダンチヒ系デインヒルが母の父のアイダホにもフランケルにも通じる。軽視は禁物だろう。(サラブレッド血統センター)

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