藤井正弘の血統トピック

欧州で「最適交配」行き詰まりディープに

[ 2018年1月17日 05:30 ]

 スポニチ本紙既報の通り、世界最大級の競走馬生産企業体クールモアのセレブリティともいえる名牝がディープインパクトとの交配のために滞日している。

 クールモアの“ディープインパクト詣で”は初めてではないのだが、今回は送り込んだ繁殖牝馬が破格のレベル。明け5歳のマインディングは英オークス、英1000ギニーなどG1・7勝を挙げた2016年カルティエ賞年度代表馬で、明け4歳のウィンターは昨年の英、愛1000ギニー馬。同じく明け4歳の愛G3シルヴァーフラッシュS勝ち馬プロミストゥービートゥルーを含め、いずれも今年が初供用のルーキー牝馬である。日本に置き換えればジェンティルドンナとハープスターが連れ立って、初めての種付けをアイルランドで行うようなものだから、受け入れ側だけでなく、送り出す側にとっても画期的なことといえるだろう。

 この3頭にはガリレオ×デインヒル(系)の“フランケル配合”という血統面の共通項がある。欧州圏でのベストトゥベストが行き詰まった結果、血量的に交配可能な最良の種牡馬がディープインパクトだったというわけだ。その背景に今年の英ダービー最有力候補にのし上がったディープインパクト産駒サクソンウォリアーの成功があるのはいうまでもない。同馬の母メイビーは、前記プロミストゥービートゥルーの全姉である。(サラブレッド血統センター)

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