「どうする家康」ネット戦慄“最恐ムロ秀吉”演出語る凄さ「アイデアの塊」わしの策では…ボソボソ声も即興

[ 2023年8月20日 20:45 ]

大河ドラマ「どうする家康」第32話。徳川家康に大敗した羽柴秀吉(ムロツヨシ・奥)は「わしの策ではねえ」とボソボソつぶやき…(C)NHK
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 嵐の松本潤(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・00)は20日、第32回「小牧長久手の激闘」が放送され、羽柴秀吉と徳川家康の唯一の直接対決「小牧・長久手の戦い」(天正12年、1584年)が描かれた。回を重ねる毎に怪演に拍車がかかる俳優・ムロツヨシ(47)の怪演が光り、大河史上“最恐”と呼び声もある今作の秀吉像。同回の演出を担当した加藤拓監督にムロの魅力や凄さ、撮影の舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズなどの古沢良太氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ62作目。弱小国・三河の主は、いかにして戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのか。江戸幕府初代将軍を単独主役にした大河は1983年「徳川家康」以来、実に40年ぶり。令和版にアップデートした新たな家康像を描く。古沢氏は大河脚本初挑戦。松本は大河初主演となる。

 “ムロ秀吉”は第4回(1月29日)の初登場時から、SNS上に「目が笑っていない」「真顔が怖い」「真意が分からず、底が知れない」などの声が続出。登場の度に話題を集めてきたが、第29回(7月30日)のラスト、明智光秀の首級が届くと、秀吉は「あ、明智殿。今までで一番ええ顔しとるがね」――。視聴者の戦慄はピークに達したが、ムロ自ら“ダークピエロ”と呼ぶ秀吉の進撃は序章に過ぎない。

 第32回は「小牧長久手の激闘」。徳川家康(松本潤)を小牧山城から引っ張り出そうと、岡崎城を攻める池田勝入(恒興)(徳重聡)の奇襲「三河中入り作戦」が見破られ、秀吉軍は大敗。秀吉は「かえってよかったわ。言うこと聞かん奴がおらんくなった。ありがてえこった」と明るく開き直ると「わしの策ではねえ。わしの策ではねえ。わしの策ではねえ」とボソボソ独り言。羽柴秀長(佐藤隆太)加藤清正(淵上泰史)福島正則(深水元基)が聞き耳を立てて近寄る。

 「中入りはわしの策ではねえ。池田が無理強いしてきた策だっちゅうて言い回れ。わしの言うことを聞かぬもんだで、こうなったと」

 そして、家康に大敗してても、天下を獲れる道を冷静に判断。「考えてみゃー。敵の総大将は(不敵な笑みを浮かべ)家康ではねえ」――。織田信雄(浜野謙太)に狙いを定めた。

 このボソボソ声が台本にはないムロのアイデア。加藤監督は「秀吉がボソボソつぶやくから『殿は何か考えているんじゃないか』と秀長・加藤・福島の3人がスーッと吸い寄せられていく。つまり、自軍の中にも言うことを聞かない池田のような“敵”がいるので、腹心だけを集めて命令を言い渡す。皆がいるところで本音をぶちまけたりはしない。今回の秀吉らしさが凝縮されたシーンの一つになったと思います。完全にムロさんのアイデアと、聞こえるか聞こえないかの演技力の賜物です」と明かし、感謝した。

 榊原康政(小平太)(杉野遥亮)による悪口への反応も「泣いたかと思えば、笑い飛ばし、悪口雑言が書かれた立札を叩き割る。次にどこへ行くか分からないムロさんのお芝居に、いつもワクワクしています」と述懐。「第33回の秀吉は大阪城の中で微動だにしないんですけど、ムロさんは本当に微妙な目の動きだけで感情を表現してくださいました。アイデアの塊のような方で、それを具現化していくための緻密な技術を兼ね備えた役者さんだと思います」と絶賛してやまなかった。

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