高石あかり 令和の憑依女優「私が演じるからこそ意味がある、と…」意地悪なヒロイン異母妹役で話題

[ 2023年4月10日 05:30 ]

ポーズをとる高石あかり(撮影・藤山 由理)
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 興行収入18億円を突破し、大ヒット公開中の映画「わたしの幸せな結婚」で、ひときわ異彩を放つ女優がいる。ヒロイン今田美桜(26)の意地悪な異母妹役の高石あかり(20)だ。姉をいじめる演技にSNSは「ゾッとした」「怖い」などの声で沸いている。令和の憑依(ひょうい)型女優として評判だ。

 「姉にはもちろん、スクリーン越しにお客さんに恐怖心を与えるにはどうすればいいか?考えているうちにイメージが降りてきて…休み時間も人とはあまり話さず、一人で役を抱え込んでました」。名家に生まれ、血のつながらぬ姉を使用人同然に扱う。さげすみ、嫉妬、怒りなど負の感情を煮詰めたような鋭い目。「体が動くよりも先に目に気持ちが出ることが多い」と作中の激しさがウソのようにかれんに穏やかにほほ笑んだ。

 とりわけ注目を浴びたのは、結婚する姉を蔵に閉じ込める場面。カッと目を見開き、ゆっくりとした口調でなじった。継母が姉の顔を水桶(みずおけ)に沈めるそばで、指先で桶の縁をなぞる演技で観客を引き込んだ。顔は映っていない。令嬢の上品さも感じるだけになお怖い。「なぜあのしぐさをしたのか覚えてないのですが、あの場面は“楽しい”と思いました」。誰もが眉をひそめる状況だが、役として喜びを感じていた。

(演技はパズル/) 集中すると我を忘れるタイプ。「1000ピースのジグソーパズルを、完成形を見ずに4日かけて作ったことがある」という。演技とパズルは似ているのかもしれない。一つ一つのピースの意味を考えながら、役を作りあげていく。「常に行動に理由を持たせるようにしています」と話す。全てのピースがハマった瞬間に、役が降りてくる。

 令和の改元とほぼ同時期、2019年に女優として本格始動。現在は主演映画「ベイビーわるきゅーれ2ベイビー」、関西ローカルのドラマ(毎日放送)「墜落JKと廃人教師」などに出演している。「ベイビー…」では社会になじめない殺し屋、「墜落…」はネガティブな女子高生役。負の感情を持つ役が続くことにも「悪役上等!私が演じるからこそ意味がある、と思われる女優さんになりたい」。前を見据えた瞳がキラリと輝いた。 (小田切 葉月)

 ◇高石 あかり(たかいし・あかり)2002年(平14)12月19日生まれ、宮崎県出身の20歳。2014年にエイベックス主催のキッズオーディションでナルミヤオンライン賞を受賞し、芸能界入り。ダンス&ボーカルグループでの活動を経て、女優に転身。代表作は舞台「鬼滅の刃(やいば)」竈門禰豆子役など。1メートル60。

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