市川新之助 難役も堂々 成田屋史上最年少9歳で「毛抜」粂寺弾正に挑戦

[ 2022年12月6日 04:49 ]

十三代目市川團十郎白猿の襲名披露興行「十二月大歌舞伎」で昼の部「毛抜」に出演した八代目市川新之助 
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 十三代目市川團十郎白猿(45)の襲名披露興行「十二月大歌舞伎」(26日まで)が5日、東京・歌舞伎座で初日を迎えた。長男の八代目市川新之助は昼の部「毛抜」に出演。9歳という成田屋史上最年少で主人公・粂寺弾正を演じた。

 父も初演が29歳という難役。この日は堂々と見えを切ったり、一目ぼれした女性に振られるという滑稽さも見せたり、大人さながら演技を披露。1時間の芝居を終え花道を引っ込む際には「どうやらこの大役、本日おいでのいずれさまのおかげで、なんとか相勤めまして…」とあいさつしたが、満員となった約1700人の拍手にかき消された。

 父・團十郎は夜の部「助六由縁江戸桜」などに登場。口上では「先祖より大事にしてきたこの名跡を継ぎ、全身全霊で精進する覚悟でございます」とあいさつ。長女の市川ぼたん(11)は夜の部「團十郎娘」に出演し、同所では60年ぶりとなる女性主演を務めて晴れ舞台を彩った。

 ≪松本白鸚が体調不良のため休演≫「夜の部」の口上では、親戚筋にあたる松本白鸚(80)が後見を務める予定だったが、体調不良のため休演。この日は市川左団次(82)が代わりに團十郎と新之助を紹介した。「(白鸚が)病気休演のため、せんえつながら私がご披露申し上げます」とあいさつした。全部で37人の俳優らが登場。そこにはクラブホステスへの性加害疑惑が報じられた香川照之(市川中車、56)も列席した。2列目の一番下手側に座り、やや険しい表情を浮かべていた。なお、6日に昼の部「鞘当(さやあて)」で舞台復帰する。

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