永瀬王座、羽生九段との全勝対決制し4連勝 豊島竜王に並ぶ「難しい将棋だった」

[ 2020年11月3日 18:04 ]

感想戦中の永瀬王座(左)と羽生九段。永瀬のバナナは結局手つかず(撮影・我満 晴朗)
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 将棋の第70期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負(来年1月開幕予定)で渡辺明王将(36)への挑戦権を争う挑戦者決定リーグが3日、東京都渋谷区の将棋会館であり、永瀬拓矢王座(28)が羽生善治九段(50)に89手で勝利した。終局は午後5時22分。

 勝った永瀬は開幕からの連勝を4に伸ばして前日2日、4勝0敗で単独トップに立った豊島将之竜王(30)と並んだ。敗れた羽生もただ1人の1敗として1差で追う展開になった。

 終局後、永瀬は「全体的には難しい将棋。悪形が響かなければ角金交換が生きるのかなと思っていた」と振り返った。両者の対戦成績は永瀬の7勝、羽生の4勝で戦型は相掛かり。過去の対戦はほとんどが矢倉か横歩取りで、相掛かりは12回目で初めてだった。角交換から30手目、後手羽生が△2八角と永瀬陣へ角を打ち込み、馬を作ったが永瀬が悪形を意に介さず右金との交換を強要してペースを握った。

 駒損の羽生は中盤以降、反撃を開始し、飛車銀桂による攻めを敢行した。64手目△7七歩と打ち込み永瀬が▲7九金と引いた後さらに△7八金と王手金取り。この局面を永瀬は「少し指せている感じはしたが、金を打ち込まれて変な感じがした」。王の早逃げで対処し、羽生の攻めが途切れた77手目以降、冷静に羽生王を仕留めた。

 豊島とのマッチレースに持ち込んだ永瀬だが「まずは(来期のリーグ)残留を決められたことが幸運。挑戦権への意識?一局一局が大変なのでそういう感じはしません」と落ち着いた口ぶり。対する羽生は「馬を取られちゃったのでその前の構想に問題があったかと思う。取られてからはダメ。(自分に)あきれてました」。終局後、自ちょう気味に回想し、残り2局については「全力でぶつかっていきたい」と意気込みを語った。

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