柄本佑に男優主演賞 史上初の夫婦同時主演賞、役名ない役に“同化”

[ 2019年1月23日 05:30 ]

2018年毎日映画コンクール男優主演賞

「きみの鳥はうたえる」で若者の葛藤を演じ、毎日映画コンクール男優主演賞を受賞した柄本佑(撮影・西川 祐介)
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 2018年毎日映画コンクール(第73回)の各賞が22日、決定した。男優主演賞は「きみの鳥はうたえる」の柄本佑(32)が受賞。女優主演賞の安藤サクラ(32)と夫婦同時主演賞は初の快挙だ。

 出演のオファーを受けてから昨年9月に公開されるまで、演じた「僕」との付き合いは3年にも及んだ。「自然に思い入れも強くなりますし、撮影が一日一日終わっていくのが嫌な感じでした。それくらい現場は楽しかったし、(役者を)17年やってきて、神様がくれたご褒美というか、宝物のような作品になりました」と柄本は顔をほころばせた。

 「海炭市叙景」などで知られる故佐藤泰志氏の小説を三宅唱監督(34)が舞台を東京から函館に、時代を70年代から現代に置き換えて映画化。書店で働く「僕」と同居中の「静雄」(染谷将太)、そして2人の間を行き来する「佐知子」(石橋静河)の3人のひと夏を鮮やかに切り取った。

 役名のない役をやるのは初めて。原作を核として演出の三宅監督のシルエットを一つの手掛かりに、自前のキャップやシャツまで使って「僕」探しを始めた。「自分なりにつかんだのは“真っすぐに立っている”“嘘(うそ)はつかない人”」というイメージ。撮影中には「山、川、空、僕」と唱え、「自然そのもの、ただそこにある」ことを強く意識していた。

 染谷、石橋とのアンサンブルは見事だった。引き出したのは紛れもなく「僕」と同化した柄本だ。「例えば、クラブでビリヤードやダーツに興じるシーン。撮影前に、まず僕たちと三宅監督の4人で真剣に遊ぶんです。何となく動きだしてきたら、監督がいなくなり、代わって“現場の長男”である僕が監督役になっている。公開されてからは4人目が観客です。引き込ませる力が確かにあったように思います」

 21日間で撮影したのは60シーン。「1日2シーンか3シーンの計算ですから、1シーンにかけられる時間は長い。無駄というか、道草ができました。映像の下に積み重ねられた無駄があるから厚みのある映像になったのではないかな」

 妻の安藤とのダブル主演賞。「すいません、夫婦で。申し訳ありません」と恥じらいがちに笑顔をはじけさせた。

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