市原悦子さん告別式 初主演映画の恩地監督が弔事「いつも、えっちゃんが何とかしてくれるだろうと」

[ 2019年1月18日 11:49 ]

市原悦子さんの祭壇
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 心不全のため12日に82歳で死去した女優の市原悦子(いちはら・えつこ、本名塩見悦子=しおみ・えつこ)さんの告別式が18日、東京・青山葬儀所で営まれ、中尾彬(76)池波志乃(63)夫妻、ベンガル(67)、林遣都(28)、相島一之(57)ら多くの関係者が参列した。

 告別式では、はじめに市原さんの代表作がまとめられた映像が約10分間流れ、市原さんの初主演映画「蕨野行」の恩地日出夫監督(85)が弔事に立った。恩地監督は初対面だったという映画「雪国」を(1957年公開)での衣装合わせを振り返り、「太った芸者という1シーンだけの作品で、美人女優ばっかりの東宝撮影所にいささか食傷気味だったので、市原さんにこういう人も女優さんでいるんだと。その話を後年すると、『どうせ、私が不美人ですよ』と笑ってたけど、今考えるとずいぶん失礼なことを言ってたんだなと。その衣装合わせから60年という年月が経っています」としみじみ。「その間、いろんな仕事をたくさんたくさんさせてもらいました。特に、新人の役者を主役で使いたいと思った時にいつも相手役に市原さんがいてくれました。おかげで何とかなりました」と回顧した。

 一番印象的だったのは、泉谷しげる(70)が初主演したドラマ「戦後最大の誘拐 吉展ちゃん事件」(1979年、テレビ朝日)。「市原さんが決まってなければ、彼を使う勇気はなかったと思います。いつも、えっちゃんが何とかしてくれるだろうと、甘ったれた気持ちで仕事をしてこれた」と語り、「本当に長い間、付き合ってくれてありがとう。こうやって、笑っている写真を見ると、もう二度と仕事できないのかなと思いますが、これもお互い人生だと思います。長い間、ありがとうございました」と感謝を伝えた。

 祭壇は森をイメージし、コチョウラン、モンステラなど、さまざまな種類の観葉植物の緑色を強調した個性的なもので、市原さんが愛した観葉植物で彩られた。棺(ひつぎ)には故人の写真集4冊と書籍4冊、日常生活で使っていたものが収められる。宗派、戒名はなし。

 14年に夫で舞台演出家の塩見哲さんが肺がんのため80歳で他界した際、喪主を務めた市原さんが自然をイメージした祭壇をプロデュース。塩見さんは現在、千葉県内の山の中の樹木の下に埋葬されている。市原さんも埋葬は樹木葬になるといい、塩見さんの隣に眠ることになる。

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2019年1月18日のニュース