天皇陛下作詞、皇后さま作曲の沖縄の歌「琉歌」 三浦大知が歌う 来月24日の在位30年記念式典で

[ 2019年1月18日 05:30 ]

歌手の三浦大知
Photo By 提供写真

 政府は17日の式典委員会で、2月24日に東京・国立劇場で開催する天皇陛下在位30年記念式典の詳細を決めた。歌手三浦大知(31)が天皇陛下が作詞、皇后さまが作曲された琉歌(沖縄の歌)を披露することになった。また、10月22日に新天皇が即位を国民に披露するパレードで使うオープンカーはトヨタ自動車の「センチュリー」に決まった。

 三浦は97年「Folder」のメンバーとしてデビュー。17年からNHK紅白歌合戦に2年連続出場している。その歌唱力とダンスが“和製マイケル・ジャクソン”と評されるほど評価が高い。

 沖縄出身の三浦が歌うのは天皇陛下が作った琉歌に皇后さまが曲をつけた「歌声の響」。この歌が生まれるきっかけは陛下の皇太子時代の75年7月、夫妻の沖縄初訪問だった。

 沖縄県名護市にある国立ハンセン病療養所「愛楽園」(現在の国立療養所沖縄愛楽園)を訪ねた際、帰り際に在園者から沖縄の船出歌「だんじょかれよし」の合唱が起こった。「だんじょかれよし」は祝い事や旅立ちの歌に使われる言葉で「誠にめでたい」の意味。陛下はこの時の気持ちを「だんじょかれよしの歌の響 見送る笑顔目にど残る」と沖縄周辺の島々に伝わる“8・8・8・6”の音数律を持つ定型詩「琉歌」という形で詠んだ。歌声の響きと見送ってくれた人々の笑顔に感銘を受け、今も心に懐かしく残っているという意味がこもっているという。

 この歌を贈られた同療養所では沖縄民謡に乗せて歌われていたが、曲も付けてほしいと望む声があった。それを伝え聞いた陛下から勧められた皇后さまが作曲に取り組まれた。

 過去の在位式典では、99年11月12日の「天皇陛下御在位10年記念式典」でYOSHIKI(年齢非公表)がクラシック調のピアノ協奏曲「Anniversary」を演奏。09年11月12日に催された即位20年を祝う祭典では「EXILE」が登場。奉祝曲の組曲「太陽の国」を歌とダンスで披露した。

 三浦は「選んでいただいたこと、両陛下の想(おも)いから生まれたとても大切な一曲を歌わせていただけること、本当に光栄です。全身全霊で歌わせていただきます」と意気込んでいる。

 ◆三浦 大知(みうら・だいち)1987年(昭62)8月24日生まれ、沖縄県出身の31歳。05年3月にソロデビュー。17年「第50回日本有線大賞」で有線音楽優秀賞、18年「第60回輝く!日本レコード大賞」で「Be Myself」が優秀作品賞を受賞。国内外でそのパフォーマンスが高く評価されている。

 ≪パレード車はセンチュリー≫新天皇が即位を国民に披露するパレード「祝賀御列の儀」にトヨタ自動車の「センチュリー」が選ばれたのは、安全・環境性能の高さに加え、儀式終了後の有効活用や日常の保守管理が容易との理由という。センチュリーの他に候補となったのは(1)日産「シーマ」(2)ホンダ「レジェンド」(3)英国のロールスロイス・モーター・カーズ「ドーン」(4)ドイツのダイムラー「メルセデス・ベンツS560カブリオレ」の5社。トヨタは「より良い車を提供できるように努力します」とコメントしている。

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2019年1月18日のニュース