星野氏、元野球選手のキャスター“先駆者” 7年連続「理想の上司」1位

[ 2018年1月7日 09:50 ]

星野仙一氏死去

楽天の星野仙一球団副会長
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 星野仙一氏(享年70)は現役引退後の85年にNHK「サンデースポーツスペシャル」(現サンデースポーツ)の初代キャスターに抜てきされた。アスリートキャスターの草分け的存在として活躍し、NHK関係者は「野球を極めた人だが、テレビ界でも十分に活躍できる存在だった」と振り返った。

 「燃える男」の武闘派イメージとは一転、爽やかな笑顔と穏やかな語り口で知名度と好感度が上がった星野氏。監督として球界に復帰してからは大手電機メーカーが実施した新入社員を対象にしたアンケートで08年まで7年連続で「理想の上司」1位。勝負どころで選手を鼓舞し、その期待に応えた選手をめいっぱい抱きしめて迎える光景が「指導力があり、自分を育ててくれる」とビジネスマンからせん望を集め「理想の上司といえば星野仙一」が定着した。

 共感を呼んだ背景には、シンプルでストレートな星野流の監督哲学があった。自著「星野流」(世界文化社)では「誰に対しても“分かりやすい存在”でなければならない」「是々非々を徹底的に。基準はひとつ、いいか悪いか」「点火のためには、時には殴る、それがどうした」「怖さ7割・やさしさ3割でちょうどいい」などとつづっていた。03年の新語・流行語大賞でトップテン入りした「勝ちたいんや!」など、短く力強い名言の数々でも人々の心を動かした。

 飾らない人柄で芸能界や経済界にも太いパイプをつくった星野氏。情熱と人情で球界の域を超えて愛された「闘将」だった。

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2018年1月7日のニュース