DeNA・中川颯 2勝&1号2ラン“2刀流”の活躍に「完全に大谷翔平」の声

[ 2024年5月19日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA3―2中日 ( 2024年5月18日    横浜 )

<D・中>2回、2ランを放つ中川颯(撮影・島崎忠彦)
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 DeNAの中川颯投手(25)が18日、中日戦に先発して6回5安打2失点に抑えて今季2勝目。2回には豪快なスイングで今季の投手1号となる2ランを右翼席中段に運んだ。桐光学園時代はエース兼4番で通算26本塁打。ドジャースの大谷翔平投手(29)を参考にした打撃フォームで快音を響かせたサブマリン右腕の“二刀流”の活躍で、チームは借金を2に減らして4位に浮上した。

 バットを加速させながらインパクトを迎えることで、自然と大きくなる。そんな大谷の美しいフォロースルーを思わせた。本職は下手投げ投手。中川颯はスラッガー顔負けの“確信歩き”で、打球方向の右翼を見上げた。

 「大谷さんのバットを立てているイメージで打ち始めてから、いい感じなんです。自主トレの時から参考にして練習してきました」

 通算9打席目のプロ1号は「完全に大谷翔平」とSNS上を驚かせた。2回に1点を先制しなお2死一塁。松葉のカーブにしっかりとタイミングを合わせ、強振した。今季の投手初本塁打は右翼席の中段へ。昨オフにオリックスを戦力外となり、地元でDH制のないセ・リーグのDeNAに拾われたことで打撃練習を再開。寝かせていたバットを大谷を参考に立てて快音を響かせ、三浦監督も「二刀流だね。雰囲気があった。飛距離も大きかった」と目を丸くした。

 桐光学園ではエース兼4番で通算26本塁打。横浜スタジアムでは3年生だった16年夏の神奈川大会準決勝以来、2発目で「当時がフラッシュバックした」という。現在は同僚で当時横浜高の石川から左翼席に運ぶも4―8で敗退。泣きながら「将来、絶対にプロ野球選手になって恩返しする」と誓っていた言葉を現実のものとした。

 本業では6回5安打2失点で2勝目。本拠地では初勝利だった。前回11日の阪神戦は3回9失点で「死に物狂いで試合に臨んだ」という。衝撃の一発を放ったが「(打撃は)欲を出すのはダメ。バントを失敗してしまったので次は成功できるように」と反省した。

 試合後、握りしめていたのはホームランボール。「やってみたかった」というデスターシャポーズもたどたどしく決めた。「しんどい思いも多かったけど満員のお客さんの中でできることは幸せです」。先発で4試合、救援で4試合に登板するサブマリンが、打者としても輝いた。(神田 佑)

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