現役&移籍2カ月足らずでドジャース・大谷に異例の栄誉「大谷翔平の日」制定の訳

[ 2024年5月19日 01:30 ]

ロサンゼルス市が5月17日を「大谷翔平の日」に制定し、表彰を受ける米大リーグ、ドジャースの大谷翔平(右)(球団提供・共同)
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 ロサンゼルス市は5月17日を「大谷翔平の日」に制定した。大谷は午前中にドジャース球団関係者らとロサンゼルス市庁舎を訪れて表彰を受け、認定証を受け取った。米国では名選手や偉人の名前を、記念日や町の通りなどに冠して称えることはよくあるが、移籍2カ月足らずという速さでの表彰は極めて異例。ロサンゼルス近郊に90~20年まで30年間住んだ奥田秀樹通信員(61)が、米国ならではの文化と異例の待遇について解説する。

 米国の文化では町が偉大な人物を称える時に、今回の「大谷翔平の日」のように祝福する日を指定したり、道路の名前に付けたりする。特に記憶しているのは16年1月。ロサンゼルス市が、ドジャース専属の実況アナウンサー67シーズン目のビン・スカリー氏の栄誉を称え、ドジャースタジアムに向かう道路、「エリシアン・パーク・アベニュー」を、「ビン・スカリー・アベニュー」に改名すると発表した。球場の住所も「1000ビン・スカリー・アベニュー」と変わった。

 このシーズン限りでの引退を表明していたスカリー氏は「穴があったら入りたい気持ち。2年前市長に言われた時は拒んだが、最後なので」と受け入れた。日本人旅行者におなじみのロサンゼルス国際空港の玄関口は「トム・ブラッドレー国際線ターミナル」で、建設当時のロサンゼルス市長トム・ブラッドレーから。アナハイムの空の玄関口は有名な映画俳優の名を冠しジョン・ウェイン空港だ。

 ロサンゼルス市は、16年に元レーカーズのコービー・ブライアントの日を8月24日、昨年は元ドジャースのフェルナンド・バレンズエラの日を8月11日にそれぞれ設定している。ただし2人ともロサンゼルスのチームに優勝をもたらし、功成り名を遂げた現役引退後だ。現役時に、しかもド軍に移籍して開幕からまだ2カ月もたっていないのに、29歳で大谷がこの栄誉を受けたことは特筆すべきだ。デーブ・ロバーツ監督は「マイケル・ジョーダンのような、ポップカルチャーのアイコン(象徴的な存在)に近づいている」と表現した。既にロサンゼルスの顔であり、それ以上の存在に上り詰めておかしくない存在感がある。

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